ネクスト・ソサエティ?P・F・ドラッガー著 がその一冊です。人口が減りゆく社会に警鐘を鳴らし、経済だけではなく社会の仕組みそのものが変わっていくなか、われわれ市民が何を考え行動するべきなのか示唆を与えてくれました。
幸いそれらのヒントを東京青年会議所の運動に置き換えて考えるのは、難しいものではありませんでした。なぜならば、一般に市民が持つ社会参画の方法が選挙権の行使と納税が主であるのに対し、東京JCのメンバーは「JC」というもうひとつの方法を持っているからです。東京JCの56年の積み重ねによってもたらされた武器と何よりメンバーの持つ高い志と英知と勇気と情熱を最大限活用し社会参画をすれば、必ずや結果がでるという確信を持っていました。
迫り来るネクスト・ソサエティに向けた変革を行うことこそが青年会議所の使命です。
東京青年会議所の運動とは
2005年度理事長として「東京JCここにあり!」―自らが創り出す、魅力ある地域 誇れる日本― のスローガンを掲げ運動展開してきました。市民自らが積極的に社会に対して参画し、自分たちの手で魅力ある地域と誇りに思える日本を創っていく。これこそがこれからの日本に必要とされている社会のあるべき姿ではないでしょうか。東京JCは、その先頭に立って青年の持つ若い感性で物事を捉え、常に本質を見極めながら活動してきました。本年は国家に直接的に働きかける運動と地域から国を変えていく運動の両輪で進めてきました。国家政策、政治行政、経済、教育、福祉、環境、国際、NPOという視点で例会、事業を展開し成果を挙げました。また、各委員会においても合同委員会、合同例会という新しい運営形態に挑んだにもかかわらず、相乗効果を発揮して新しい組織のカタチを示すと同時に運動においても多くの成果を挙げることができました。では、その運動を振り返ってみたいと思います。
われわれは何を成し得たか
国家に直接的に働きかける運動を代表するのは、国家政策特別委員会が中心となって展開したラリートークと10月例会です。全3回のラリートークは、個別の政策テーマに対し次なる運動目標を見出すために各界の第一人者の方をお招きし議論を戦わせ、東京JCの政策や運動がどこまで通用するのか試す機会でもありました。また10月例会で発表した「新日本大綱」は今年の東京JCの政策の集大成であり、今後の運動の道しるべとなる内容にまとめることができました。
また、公開討論会に対しては全メンバーが一体となって取り組んだ結果、特筆すべき成果があがったと確信しています。東京都議会議員選挙の全23区開催、衆議院議員選挙の全17区開催はその数もさることながら、政党会派別代表者による公開討論会の開催や政党政策集の会場閲覧を行うなど、マニフェスト型公開討論会の定着に向けた大きな一歩を踏み出すことができました。
地域から国を変えていく運動を担ったのは地区委員会です。
私は、家族や地域を愛する気持ちが国を愛する気持ちにつながると考えています。ゆえに地域を愛する気持ちを育み、自らの手で地域社会に貢献する活動を展開することが地区委員会の役割であると思います。
11月例会で検証したように、各地域の問題点を抽出し、あるべき姿に向けた活動を市民と一体となって展開した一年であったと思います。
また、地域における運動を国家の変革の運動に結びつける役割を担ったのは各政策委員会であることは言うまでもありません。これまでの政策の積み重ねをベースに、地域で展開できる運動モデルを作りこんでくれました。
そして2005年度の運動を語る上で欠かすことができないものがあります。
2006年度 日本青年会議所 会頭選挙に東京JCとして平 将明君を推薦し挑んだことです。56年前「新日本の再建は我々青年の仕事である」という志から誕生した青年会議所運動の使命をわれわれは今一度再認識しなければなりません。青年会議所は他の経済団体や政治団体とも関係を持たず会員の会費によって独立した運営をしている組織です。ゆえに軋轢を恐れずに正論を正論として発言し行動する団体でなければなりません。このような崇高で純粋な組織は青年会議所以外見当たらないと思います。自らの組織を維持するため、守るための組織になってはいけません。本来の青年会議所の持つ使命を全国のメンバーと共有したい。自らの手でリーダーを選ぶというプロセスを通じてメンバー一人ひとりが青年会議所を自分のものにして欲しいという思いからチャレンジしました。
結果は残念なものに終わりましたが、全国の各地青年会議所のメンバーと共有した思いは我々のなかに残っています。今後の運動のベースとして育んでいきましょう。
明日の自分は今日とは違う
みなさんは夜寝るときに、「明日起きた自分は、今日とは違う」と実感したことはありますか?当然ヒトは寝て起きたら成長しているなんてことはありませんし、次から次へとやってくる仕事をこなしているときでさえ、充実感はあれども成長している自分を実感できる機会はそう多くはないと思います。
しかしながら東京青年会議所という組織は自分が成長しているという実感を得られる貴重な場であると断言します。社会変革の運動を通じて、自らが成長し社会的な価値を高めることができる。そしてもの凄いスピードで成長し続けるメンバーによって東京青年会議所の社会的な価値をも高めることができます。
いまこそ一人ひとりのなかに「誇れる日本」を創りあげましょう。
希望あふれるネクスト・ソサエティはもうそこまで来ています。
最後になりますが、この一年東京青年会議所の運動を支えていただいた関係各位に心より御礼申し上げます。今後ともより一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
また理事長という役割を与えていただき、得難い経験をすることができたのはメンバーの皆さんのおかげです。心から感謝申し上げます。
一年間本当にありがとうございました。
社団法人 東京青年会議所
第56代 理事長 西村 剛敏
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