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5月例会 報告 第3部パネルディスカッション



ヒルズビジネスサミット 経営ビッグバン!  今こそ経営革新! 変革の能動者が新しい日本を創り出す



【第3部】パネルディスカッション
パネラー: 島田 晴雄氏 内閣府顧問、慶應義塾大学 経済学部教授
  松井 道夫氏 松井証券(株)代表取締役社長
  折口 雅博氏  グッドウィル・グループCEO
コーディネーター: 平 将明  (社)日本青年会議所 関東地区協議会会長
第3部パネルディスカッションの様子
 
   
平(コーディネーター) 平将明 (社)日本青年会議所 関東地区協議会会長
平 将明
 (社)日本青年会議所
 関東地区協議会会長

初めに、松井さんと折口さんから一言ずついただけますか。
松井 21世紀は、組織そのものはどうでもいい、最後は個人だという時代になったと思うので、これからはこれを軸にして会社運営等々をしていきたいと思っています。
折口 僕は、今は住みやすいと思います。インフラが整っていて、こんないい時代はないですから、それを実践されたらいい。高い志を持って常にチャレンジしていただきたい。
島田さん、お二人のお話を聞いて一言あればお願いします。  
島田 松井さんから組織から個人の時代へという言葉がありましたし、折口さんは今は最も住みやすい時代だと言われました。個人が頑張って稼いで繁栄するというのが総和としては国がよくなるわけですから、折口さんは逆説的に楽観的なことを言われたわけですが、国の状況は物凄いです。これだけの財政赤字ですから、金利が上がっていって、設備投資がしにくくなって、技術革新が起きなくなって、為替レートは落ちていって、インフレになって実質賃金の低下になります。じわじわと沈んでいきます。ですから、これ以上落ちるのをどこでとめて、逆転するメカニズムを作っていくかというのが課題だと思います。
私は、じわじわではなく突然来るのではないかという思いを持っているのですが。
松井 これだけ教育を受けた人間がこれだけいて、それなりの歴史、それなりの自負心、プライドを持っている民族が創っている国ですから、簡単に全てが終わるとは思いません。  今、大革命が起きています。いわゆる情報革命と称するものです。この情報革命が人類の生き方を抜本的に変えます。世の中のシステムが全部これを前提にしてパラダイム転換するわけです。これをどうとらえて、それに対してどう対応していくか。日本がうまくそれに合わせるんだったら、21世紀は日本の世紀になるかもしれません。
松井 道夫氏
松井証券(株)
代表取締役社長
折口 僕が「今はいい時代だ」と言ったのは、それと今の政府が財政もちゃんとやっていけるかというのは別問題の話ですが、今僕らが受けている状態はコンディションの凄いいい状態だというのを言いたかっただけです。政府は入りを増やして出を減らすという基本的なことをなぜやらないのか。誰かが腹括って大増税するとしっかり言う。そのかわり、これだけ経費を減らす、公務員と国会議員の数を減らすとかいうことでトータルバランスを取るようにやればいいと思うんです。誰かがいつかやってほしいというのが感想です。  恵まれた環境がゆえに、今起業すればお金は簡単に集まります。そのチャンスを利用して、最高のコンディションをフルに生かさない手はないです。ただ、企業価値とは本当は何だといったとき、M&Aで売上を作り上げるというのは現在価値でしかありません。M&Aで継ぎ足したものが5年後に増えるという予想も保証もできません。でも、自分たちで作り上げた売上なら予想もつきます。だから、両方きちんとやるべきです。
松井 政府の入りと出についてですが、明治維新の最大の改革は秩禄処分だと言われています。働かないで家禄をもらって収めていた士族の特権を剥奪し、金禄公債という国債を発行するからこの利子で食うか、国家の一部の財産を無償で払い下げるから、それを前提で商売をやってくれというものですが、これを一気に政治家がやり、10年で士族という階級はなくなりました。この秩禄処分を現代に当てはめたら、一回、公務員を全員解雇です。退職金は国債で払う。国債がデフォルト起きたら勘弁してね。政治家はこういう類のことを思い切って打ち出さない限り、誰が増税に応じますか。国民は納得しませんよ。  M&Aの話はそのとおりです。ただ、日本は資本主義国家ですし、市場経済を標榜しています。膨大な金を調達して価値を生み出さなかったら、マーケットですさまじい鉄槌、しっぺ返しを食らいます。価値を生まないものは市場から淘汰されます。
島田 秩禄処分というのはいいですね。日本の政府のむだづかいをどうするかという問題が一つ。もう一つは年金の問題です。国民のナショナルミニマムを税金で負担して、あとは積み立てで自己責任でやるという合意形成をしなければいけません。もう一つは交付金の問題です。交付金は比較的豊かな地域から財政力のない地域に、国が一回税金を取ってそれを分配するという仕掛けでスタートしたのが、今は47都道府県でもらってないのは東京だけで、1800の地方自治体でもらってないのは50ぐらいです。最後に少子化問題です。私は「魔の8時間」というのを言っているんですが、若い夫婦は、会社から帰ってくるのは遅いときは10時になる。小学校は午後の2時には終わっちゃいますから、8時間誰もいないんです。ですから、ゲームセンターに行くか事故に巻き込まれるか塾に叩き込む。そういう中で子供が破壊されていきますので、責任のある親は子供をつくれないんです。  今言った課題の解決に取り組んだら、地崩れ的な低下はどこかで食い止められる可能性はあります。そういう舞台装置を立て直す中で、企業が頑張るということかと思います。 島田晴雄氏 内閣府顧問、慶應義塾大学 経済学部教授
島田 晴雄氏
内閣府顧問
慶應義塾大学 経済学部教授
松井 これからは、国家を単位にして物事を見てもしょうがないんじゃないかという気がします。個人はある意味では地球上では自由だ、どこで住んだっていいとなってくると、ある面では日本の中の高齢化というのがほとんど意味なくなってきます。これからはそういう単位で考えていかないと、突破口は開けないという過激な考え方を私は持っています。  足元のことを考えれば、例えば税制一つとっても、1400兆円の個人金融資産とチャラにしようという発想が出てきます。そうすると、極論ですが、日本から逃げようかということが、これから10年かそこいらで起きるのかなと。それを放置しておくわけにはいかないから、どういうふうにしようかということは考えておかなければいけないでしょうね。
島田 国民の8、9割は少子化、税制、高金利の問題で押しつぶされていくわけです。ですから、これは政治家とか行政とかは、経営者もそういう役割の人もいますが、そこは考えて頑張ろうという役割はあります。慶応の学生でもレポートを書かせるときはホワイトハウスのホームページで調べてきて上手です。本当に地球が小さい単位になっています。
折口 介護保険は先行きが暗い保険ではないです。医療保険に比べて介護保険は低い額ですが、自分の親が介護状態になったときに、9割を10年、20年払ってもらえるんです。価値観から見れば今の3倍取れるし、20歳以上にして、障害者も使えるようにすればいい。実際に今、介護のほうは広がっても、そんなにコストはかかってない状態になっています。  医療費は年間5000億以上増えていますが、医者が本当に必要なものだけやって、そうじゃないものはヘルパーがその人の自宅で見ることを進めていけば、相当カットできます。 また、それによっていろんな雇用が生まれます。それから、うちは認知症の方のホームを全部地方の建設会社に発注していますから、建設会社もそれでやっていけるわけです。  少子化は、働き手がいなくなると困りますので、若者の派遣会社もやっていますし、ヘルパーも若い人が必要なので、これは増やすべきだと思って、保育サービスも頑張ります。 折口 雅博氏  グッドウィル・グループCEO
折口 雅博氏
グッドウィル・グループCEO
最後に、経営者の意識改革というところで、折口さんも松井さんも凄い革新的なところに着目をされて成功されたと思うのですが、それは何がきっかけだったのか。いろんな軋轢をどう乗り越えてきたのか。何ができたのかというところをお話しいただけますか。
折口 起業して大変だったことはあまりないです。夢を持って、志持ってチャレンジしていけば、それに向かってがんがん進んでいるときは楽しいです。大事なことは、経営者が絶対成功するという確信を持っていること。何を持って成功できるかというのは、僕はセンターピンと呼んでいますが、ボーリングでストライクを取れば成功とすれば、真ん中のピンに当たらない限りは絶対ストライクを取れない。何がセンターピンかを見抜く能力が高ければ、確信は持てます。何をやるにも、客の立場もしくは経営者の立場、相手の立場になって物事を見ればいろんなことが見えます。その見えたことのデータベースを頭の中にしまっておいてセンスを研ぎ澄ましていく。それを積み上げていって、何か判断するときにそのデータベースを引っ張り出してくると、判断力、決断力がつきます。そうして確率を上げながら確信を持てるようになったものにドーンとやっていけば楽しいと思います。  今がいいからいいということではないことを覚えておくべきです。利益は調整の中で出せるものもあります。売り上げがきっちり伸びていくことが大事です。コスト構造が安くないのに単に値引きをして、単に叩き合いみたいなところで伸びた売り上げはだめです。  経営者としては、伸びた売上総利益をどうすべきか。状況判断です。我々みたいに介護にしても人材しても物凄いシェアをとる、ダントツ一位になることが大事な状況に置けば、投資をして絶対勝つこと、将来のために今価値をつけることをやるべきだと思います。  いろんなことを考えて、会社が伸びていくという高い志を持って、継続的な繁栄を考えてやっていくことが、必ず、企業が強くなる、発展していくものだと信じていますので、ぜひ、そういうことをしていただきたい。その中にいろんな財務ツール、M&A、いろんなものがありますが、それはプラスして使っていけばいいと考えています。
松井 21世紀は情報革命の時代で、何億という個が中心になり始め、これがネットワークで結びつくことによって、無力の個が膨大な力を持ち始めた。そういった無数の個が中心になって、我々はそれから選ばれる存在に変わった。そうすると、今までの武器は足かせになる。消費者は物凄く怖いんだ、天邪鬼なんだ、いいとこ取りなんだ。したがって、我々は消費者のエージェント、サーバントといった立場になって、我々が損して彼らが儲かる方法を徹底的に考えて、その仕組みを作ってやったら、我々が支持されて膨大な利益を彼らからお駄賃としてもらえる。これが21世紀のビジネスモデルだと信じています。僕は、無数の企業が生まれては消えという時代になる中で、企業の規模は大きくしません。  社員には「会社のために一生懸命頑張るなんて馬鹿なことを考えないでくれ。自分たちが一番損する方法を一生懸命考えて、それを実現するような仕組みを考えてくれ。それがあんたたちの仕事なんだ」と言っています。これからもそれをやるつもりです。  企業の最大のコストは時代とのギャップです。それを縮める役は社長です。企業の最大のコストは社長の頭の中にあります。したがって、社長は社長室で座禅してどういう方向に持っていくか、どういうビジネスモデルを作ろうかだけを考えていればいい。それで利益が上がらなかったら社長を辞めればいいんです。こんなことやって成功したら天狗になって失敗のもとになるから、早く成功して早く辞めたいというのが僕の夢です。
最後に、島田先生から総括をいただきたいと思います。
島田 松井さんの言われた「企業の最大のコストは時代とのギャップだ」というのは名句ですね。松井さんは、情報化時代、個の時代というのは本当に信じているし、実践しているし、実際、世の中そういうふうに動いている面がありますよね。日本は、高齢者福祉は措置主義というので行政が全部仕切ってきましたが、介護保険が入ったことで民間企業が活躍できることになり、折口さんみたいな企業モデルは、国民がそれを求める限りにおいてどんどん大きくなればいいんで、そういう意味でも、折口さんは世の中の大きな変化をとらえて、じっと見てやっておられるわけです。社長は座禅を組んでいてもいいし、私はアクティブな考えを持って現場に出てもいいと思いますけどね。時代からずれたらだめだし、ずれたら即刻辞めるという覚悟があれば見事なものです、という感想を持ちました。
どうもありがとうございました。  
 


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共催 社団法人東京青年会議所 / 社団法人日本青年会議所 関東地区協議会
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