| ■565,336人のパワー |
| 西村理事長 (以下西村) |
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東京青年会議所(以下東京JC)は、日本の青年会議所の創始でありそのDNAが我々メンバーに息づいています。来年は活動の中で、市民の積極的な社会参画を促す運動を展開していこうと思っています。しかし、青年会議所(以下JC)の運動だけでは限界がありますし、逆にJCだけではなく、専門のNPOなどもある時代になり市民が積極的に社会参画をする場を、我々が十分に提供できていないという現状があります。そこで、本日池田さんにお伺いしたいのは、アルビレックス(Jリーグ・アルビレックス新潟)というチーム運営をする事によって、市民が普段生活しているコミュニティーを、もっと良くする為に自分達で参画していこうと思えるようになった。その一つの窓口が、Jリーグ・アルビレックス新潟だと思うのですが、いかがでしょうか?
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| 池田社長 (以下池田) |
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ホームゲームの観客のおよそ8割以上がファミリーであり、その構成も親子であったり、祖父母とお孫さんだったりします。これがもう少し大きいコミュニティーとなると、同じマンションの人同士、町内の人同士、職場の仲間という構造になります。そうした人達が観客としてだけではなく、選手のサポーターとして、サポーターソングを作りCDにして販売し、その収益金をチームにご寄付いただいたりして参画してくださっています。
リーグ自体のホーム運営は、毎回百人ほどのボランティアの方が、参加してくださっています。試合前の運営ボランティアの方は、ほとんど試合を見る事無くボランティア活動されていますし、清掃ボランティアの方は、試合終了後(試合を見てから)ゴミを拾い集めて持ち帰っていただくという事で、非常にクリーンなスタジアムが出来てきたと思います。こういう形で参加することによって、「自分達が育てている」「自分達のファミリー」とチームを捉えていただいています。新潟は甲子園にしても、他のスポーツにしても中々盛り上がらない。地域全体が何かを応援するという場が無かったのです。今では、父娘がスタジアムで、非常にコミュニケーションが取れていると思います。点数が入ると、親子でハイタッチされている光景なども見られるのです。アルビレックスが一つのコミュニケーションツールとして役立っているようです。
今回のJ1では、実際負け続けたりもしましたが、他のチームだとブーイングが出たり、生卵が飛んできたりもしますが、アルビレックスの場合は、「よくがんばっている!次も頑張れよ!」と逆に応援してくれる事の方が多いですね。サポーターと共に、チームやスタジアムが一緒に育ってきてくれているという感じです。 |
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| 西村 |
政治の世界にしても、選挙の投票率などを見てもわかるように、市民が社会参画をするという意識が薄れているのが目立っていると感じます。色々と考えていく中で突き詰めていくと、地域であったり国であったりそういう所を、愛するという気持ち、誇りに思うという気持ちが欠如しているが故に、自分達で参画して自らが作っていこうとする気持ちが芽生えてこないのだと思うのですが。 |
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| 池田 |
東京だと難しいのかもしれませんね。そうは言っても、地域住民という方々がいらっしゃるのですから、都会でもきちっと、そういったコンセプトが出来ていれば不可能ではないと、私個人は思います。新潟の場合は、メジャーなスポーツや活動はテレビを通してだけでしか見られないという、非常にマイナーだったものが、クラブチームが出来た事によって、自分達で直接育てられる喜びがあるのかもしれません。東京だと、様々なアミューズメント・コンセプトが既にありますから、自分の趣味に合わせた満足度が満ち足りていますからね。 |
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| 西村 |
東京JCは地域観と国家観を併せ持って考えていかなければならないという、ある意味中途半端感がありながらも、政治経済の中心である東京でやっていかなければならないというジレンマが、我々の中で根強くあるのだろうと思います。 |
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| 池田 |
人間というのは、個人があって、家族があって、地域があるように、それぞれのコア(核)で繋がっていますよね。地域コミュニティーの関わりという意味でいうと、アルビレックスの存在は「オラが町アルビレックス」と会話の中で定着しつつある。FC東京がもっと定着して、密着運営してくれたら、いずれはNYの野球チーム(ニューヨークヤンキース)のように「東京はFC東京だよ」となるだろうと思います。 |
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| ■東京JCのアイデンティティーを探る |
| 西村 |
池田さんは、新潟青年会議所の理事長を経験されているということで、時代背景は違うと思いますが、その当時の東京JCの印象など、お聞かせいただけますでしょうか。 |
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| 池田 |
区の委員会がありますよね。あれを見て、やはり大きいなと思いましたね。区という行政単位がよく見えないなりにも、東京にも地方があると思いましたね。転入出する住民が多い東京でも、東京・神田などの下町は、祭りにしても大変な盛り上がりを見せていますよね。その反面、山の手の方ではそこまで盛り上がらないとも聞きます。そんな中で運動されていくのは大変だろうなと思いますよ。 |
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| 西村 |
そうですね。当時のメンバー数1000人以上はいたと思うのですが、今では700人ほどになっています。それでも、一つにまとまっていく事が非常に難しくなっています。
スローガンや基本方針を作りながら、年度の運動を展開していくわけですが、市民に社会参画を訴えていく前に、自分達メンバー自身が、自ら行動に移すスタンスにならなければいけません。理事長になってみてその重要性をひしひしと感じています。 |
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| 池田 |
地区委員会として活性化していくのは難しいのかな? |
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| 西村 |
一つの区に平均30名程度いるはずなのですが、実質活動しているのは10名ほどだったりします。自らが地域を愛し、市民を運動に参画させるという所で、さらなる事業展開が必要だと思います。例えば、錦の御旗ではないですけれども、Jリーグのチームなどのように、目に見える市民に解りやすい何かがないと、23区内で運動をバラバラにやっていても凄く難しいなと実感しています。 |
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| 池田 |
でも、区単位の人口を考えると、大きな市ですよね。東京JCとして、23区を一つにまとめる活動というのはもちろん大事だとは思いますが、区単位の活動で、それぞれのアイデンティティーの活動が、どれだけ活発化していくかでしょう。 |
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| ■感動を共有し、地域に誇りを! |
| 西村 |
市民に社会参画を促すという形の一つのツールとして、サッカーがあると思うのですが、市民の想いを一つにしてJリーグに参画して、今に至るまでの苦労の部分や思いをお聞かせください。 |
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| 池田 |
ワールドカップを新潟で開催させる為には、地元にチームが無いと開催誘致が難しかったのです。そこで、Jリーグに参画する事を思いついたのです。その時、どう作り根付かせていくかを研究していく中で、Jリーグ100年構想という非常に新鮮な理念があったのです。新潟というのは、学校スポーツや一部のクラブチームはあるけれども、実業団というのがまるっきり無かったのです。
手段として、「地域密着」という言葉が凄くキーワードとなっていました。企業というのは、栄枯盛衰がありますから、永続的に何百年と続いていくとは限らない。それに対して地域というのは、昔から千年以上は続いている。地域に密着したチームは、強弱はあるだろうけれども、そこに住む個人・家族・地域と、コミュニケーションさえしっかりとしていれば、その地域が存続していく限りチームも存続していけると思いましたね。
ワールドカップのロサンゼルス大会を、私が見たときに感じたのは「サッカーを観るというよりは、非常に大きなイベント(お祭り)になっている」と思いました。これを、是非新潟でもやりたい!新潟にこの刺激を持ち帰りたいと思いましたね。チームを成功させていく過程においては、無料チケットを配ったりしても、効果が現れなかったりもしました。それはサッカーという視点で突っ込んでいくとダメなのです。やはり、地域密着じゃないといけない。負け続けても応援してもらえる、昔の広島や阪神タイガースのようにね。
「新潟のアイデンティティーとしたらいいな」という思いでやってきました。 |
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| 西村 |
アイデンティティーを地域に浸透させるには? |
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| 池田 |
理念先行だけしても難しいですよ。スポーツイベントは興業です。興業の本質は何かというと「満員のスタジアムでみんなが盛り上がっている光景」なんです。4万3千人で満員になったスタジアムというのは、やはり非日常的なものですから興奮するのです。論理とかじゃなく感動を定期的に味わえる。それも「オラがチーム」を応援しながらです。サッカーの高度な試合とか技術力ではなく、スタジアムでの感動の共有ですよね。 |
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| 西村 |
自分の感動を地域の誇りに昇華させる。すばらしいですね。東京を東京都全体若しくは23区全体という大きな地域として考えていると、単位が大きすぎてアイデンティティーを持つことが難しいように思います。地域としてではなく、日本の中心としか考えられない。しかしながら区や町という自分が住んでいる地域としてはアイデンティティーを持っているわけですから、東京JCとしてはそれを育てていくことも大切にしていきたいと思います。 |
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| 池田 |
例えば、再度のコミュニティー作りとして、23区の活動をみんなで持ち寄り、統一していくコンセプトを都に申し出るとかね。青年会議所の基本的な事として地域密着なのですから。今回の新潟の地震で思ったことですが、被災地の方が、体育館に入っても協力し合って「みんなで村を元に戻そう」とする雰囲気があったじゃないですか。災害に対する防災は地域のコミュニティーが不可欠だと思いましたよ。 |
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| 西村 |
そうですね。それがきっかけに初めて気づくというところがスタートになるかもしれませんね。 |
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本日はありがとうございました。
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| 収録場所:学校法人 新潟総合学院 東京事務所 |