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JCI世界会議ソウル大会にて
韓国刑務所訪問時の高橋理事長
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先日ソウルで開催されたJCI世界会議に参加し、ソウル市内にある西大門刑務所歴史館を訪れました。(日本JC主催事業)ここは日本の侵略と弾圧に抵抗した人々が投獄された刑務所として、死刑場や拷問室があり(当時のまま)、本物のような蝋人形が拷問を再現し、日本人がいかに酷い行為を行ったかを見せる場となっています。
蝋人形は痩せこけて血だらけ、女性の拷問室では何度も悲鳴が響き渡っていました。こんな仕打ちを受けたと思えば、誰でも日本人はひどい人種だと思うのは当たり前です。この見学が教育として行われており、当日も多くの小学生が訪れていました。
中国の抗日記念館もそうですが、この教育にどんな未来があるのか、そろそろ気付いて欲しいと願うばかりです。反日教育によって互いにどれだけのデメリットが生じるのか、じっくり議論する時期になっていると思います。そんな議論を通じて日本政府は反日教育の自粛を求めるべきです。
(私の4月メッセージもご覧ください http://www.tokyo-jc.or.jp/2006/president/message0403.html)
中国や韓国とは、過去の反省を重視するばかりで、未来への議論が欠けています。両国にとって反日教育は国策のひとつであり、国民意識統一の手法でもありました。それに対し、日本は敢えて触れずに避けてきました。しかし、今後もその姿勢ではいけません。
両国に対し、正面から向き合うべきです。議論するべきです。お互いにとってどんな関係が望ましいのか、そのためにはどのような行動をするのか、議論しなければなりません。そして過去の歴史も含めて互いを知ることによって理解し、認め合うことが基本です。
ソウル訪問前に、東京韓国青年商工会と在日本朝鮮東京都青年商工会と共催で「私たちの進むべき道〜共存、共栄のために〜」と題し、シンポジウムを開催しました。第1部が姜尚中(カンサンジュン)氏の基調講演、第2部では、韓国、北朝鮮という所謂(いわゆる)南北朝鮮の在日青年商工会の両会長と姜尚中氏に私の4名でディスカッションを行いました。(当日の様子 http://www.tokyo-jc.or.jp/2006/news/1111.html)
姜尚中氏は在日韓国人二世であり、テレビ番組でも活躍されている東大教授です。テレビではソフトな語り口の印象でしたが、講演は大変熱く語られ心の込もった内容であると共に、アジア相互発展のヒントが数多くありました。
過去、アジアは紛争が絶えない地域でした。しかし昨今の経済発展が、孤立していた日本と各国の関係を近付けているようです。各国が日本と肩を並べる存在として自立する事は、脅威ではなく望ましい姿かもしれません。
不安定要素はなるべく除いていく、そして互いに共通の利益を追求していくことが出来れば、隣国が脅威などという事にはならないのです。自立した各国が相互補完の関係、相互依存の関係となり、それは互いにとって望むべき姿、進むべき道となるのです。
外交は相手に妥協してはいけないと聞きます。強か(したたか)に主張するべきとも聞きます。確かに相手の言いなりではいけません。自らの主張ははっきりと伝えるべきです。しかし互いに妥協しなければ交渉は決裂し、最悪の場合は武力行使になります。
それは自らの主張を相手に押し付けるというやり方であり、軍事力の拡大に繋げる旧態依然のアメリカ流外交です。アジアに於いては互いのメリットを追求し、相手を認め、意見の合意を形成する交渉力を持つ、成熟した大人の外交が必要になるでしょう。
私は理事長になって、本当に沢山の方と接する機会を頂きました。国内に留まらず、海外の多くの要人ともお会いする事ができました。そして感じたことは、結局お互い「人と人」なんだという事です。
相手が心の中に何を秘めているのか?その言葉は本心なのか?眼や態度に出るものです。異質な文化や歴史、教育の下に育った相手をどれだけ理解し、相手が発した言葉の意味をどれだけ咀嚼(そしゃく)し、その言葉にどれだけ誠意をもって応えるか、自分の思いを伝えるか、が大切なのです。自分が本気であること、お互いのためであること、熱意と誠意があれば気持ちは伝わることを体感しました。
10月のメッセージ「自分の帰属する国」
(http://www.tokyo-jc.or.jp/2006/president/message1002.html)を書いた後に、このメッセージを在日の方が読んだらどう思うのか、ふと気になり韓国青商の李会長に感想を求めました。その返答には在日の苦悩を感じましたが、二つの祖国を大切にしている今は大いに賛同できると言っていました。
北朝鮮の問題が深刻になっている現状に於いて、日本で暮らしている朝鮮籍、韓国籍の方々と本音で議論し、交流を深めることは大変意義のある事と改めて思いました。そして、本国で行われている問題がどれだけ在日の人達に辛い思いをさせているのか、私たちは知るべきです。
在日の人の犯罪率は日本人以下です。決して後ろめたい行為はしていません。ではなぜ彼らは日本名を名乗るのか、朝鮮籍、韓国籍を隠したがるのか、日本人に問題はありませんか?偏見や差別、関わらないという無視の行為は昨今のイジメと問題の本質が同じです。
思いやり、礼節、日本が世界に誇れる文化を言葉に出すのは簡単ですが、実際に行動するにはどうすれば良いのか、考えなければならないほど、今の日本は落ちています。思いやりある社会や信頼社会をどのように築くのか、例えばアジアに於いてはどのような姿勢が望ましいのか、我々自身が理解する必要があります。
アジアの目指すべき道は、今の日本に起きている様々な問題を解決する道に相通ずる道です。そこへ向かうには、互いを同じ人間として尊重し、認め合い、手を繋ぐことから始まるのです。青年会議所の仲間がいつも行っているような真剣な議論と、相手を敬い友情を表す握手をすることが、共に目指すべき道に向かって歩み出す、確かな一歩になるのです。
「日本の未来を真剣に語り、本気で動こう」
〜使命感と勇気で社会を変える〜
平成18年12月1日
社団法人 東京青年会議所
第57代理事長 高橋克之 |