社団法人東京青年会議所 日本の未来を真剣に語り、本気で動こう〜 使命感と勇気で社会を変える 〜 JCI
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9月例会報告



今こそ立ち上がれ〜信頼社会の創造を目指して〜

パネルディスカッション



小紫雅史氏 (中間法人プロジェクト・ケイ副代表)
松岡洋平氏 (NPO法人 MPI理事長)
松本直勝 (2006年度(社)東京青年会議所副理事長・
2007年度(社)東京青年会議所理事長予定者)
小柴雅史氏
小紫雅史氏
松岡洋平氏
松岡洋平氏
松本直勝
松本直勝
松本
(ファシリテーター)
 まず、次期首相に期待することをお話しいただけますか。
小紫  霞ヶ関構造改革は待ったなしということで、具体的には、官邸閣議、日本の戦略をつくるヘッドクォーターの部分をもっと強化してほしい。我々の言うところの総合戦略本部をきちんとつくっていただきたい。そこには、霞ヶ関の職を辞しても、片道切符ででも行くという人を公募して張り付ける。民間の人も呼んで作っていただきたい。  
松岡  国家リーダーの選び方を明らかにしてほしい。国家財政の建て直しということで、消費税、所得税、相続税に対しての考え方を伺いたい。人口減少社会にどう対応していくのか。例えば移民をどう考えるのか、そのあたりの方向性を明らかにしていただきたい。
松本  今、自由競争社会と言われているグローバリゼーションが進む一方で法が整備されていない部分もあると思うのですが、今の自由競争社会をどう思われますか。
松岡   自由競争社会と言っていますが、今の日本が本当にその危機感を持っているのかというと、グローバルなレベルに追いついているかというと、全くそうではないと思います。それは企業のレベルだけではなくて、官僚の仕組み一つとってもそうなんじゃないか。今の日本では官僚で優秀な人が民間で活躍できるというのは聞いたことないですし、実例が生まれてこない。現在のレベルは自由競争社会には程遠いというのが私の印象です。
小紫  自由競争社会の弊害がクローズアップされているし、格差という話も出ていますが、我が国は諸外国に比べて格差は小さいのではないか。努力した者が報われる社会というのは当然の原則であり、その原則を補完するルールは、個々のモラルとか現代における武士道・倫理・礼儀みたいなものがルールという形になって自由競争社会を適切な方向に導いていくんじゃないか。自由競争社会という基本原則は崩してはいけないと思います。  官僚でも民間に転職していく優秀な人材はいます。私は、民間企業に行っても通用する役人がスーパー公務員、スーパー官僚、凄い人材だと常に意識しながらやっています。
松本  民間企業の方々と面する中で、今やっていることの実例をお聞かせ願えますか。
小紫  ローソンとモスフードサービスと環境省が、自主協定という制度を使って環境保全の取り組みを進めました。官と民の立場でアイデアを持ち寄って、協創という政策手法で画期的なものをやりました。新しい官のあり方、政策のあり方を模索し始めています。

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パネルディスカッションの様子
松本  危機感が足りないという話がありましたが、この辺はどのようにとらえますか。
松岡  日米学生会議でのアメリカの学生に共通したことは、自分の置かれた状況を必至に理解しようとしていました。何かが起こったとして、それを自分の問題として感じることができるか。その上で自分に何ができるかを常に考えることを求められてきていて、そのあたりが今の日本とアメリカの教育もしくは社会の仕組みの違いなんじゃないでしょうか。
松本  グローバリゼーションの中で感じられる部分での相違点という点ではいかがですか。
小紫  アメリカは立派な人もいればそうじゃない人もいるという幅が日本よりも大きな気がします。留学生で来ている人では、中国の方でも立派な方もいました。ただ、それは実際に留学している中国人とそうじゃない中国人との差もまたあると思います。そういう意味では日本は格差も何もかも含めて中庸というところに寄っている社会だと感じます。
松本  自由競争が進めば進むほど弊害が出てくる気がしますが、この辺どうとらえますか。
小紫  自由競争社会の弊害というよりは、私は、自由競争社会は基本的に是として考えています。完全自由競争社会になったときに、完全に放任的な弱肉強食になること、倫理とかを無視した形での経済行為が行われることでライブドアや村上ファンドの問題が出てきているのだと思いますが、そういう弊害は確実にあるとは思います。ただ、そういうのは自由競争社会の中で是正する補完的な取り組みがあれば、十分是正されると思います。  格差問題は拡大傾向ではまだまだ小さいということと、逆に私は、格差問題をより小さくしようという取り組みを行うことによって、日本人の甘えの体質がますます助長されてしまうのではないかと恐れています。日本は国民一人ひとりが自主性とか相互の信頼とか、個人の力を使った格差の是正とか社会の元気さをもっと高めていくことが必要です。  その考え方の結晶がPSRという考え方です。一つ目が、個人の社会的な責任とは何だろうと考えたときに、格差があるから何とかしてと甘える人を救済するよりは、社会問題をきちんと問題意識を持って発見して、それに対する改善策を考える。そして、具体的にそれを実現するためのアクションを起こす。ここまですることで一人ひとりが社会的な責任を果たした個人となれると考えます。二つ目が、これにプラスして現代の武士道と言ってもいい倫理観・礼儀は絶対必要かと思います。PSRという個人の社会的な責任を果たす方向で、一人ひとりの個人力を上げていくやり方で克服していくのが正論だと思います。

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松本  MPIの取り組みも踏まえて活動している、また、視点について説明いただけますか。
松岡  セーフティネットといったときに、ビジネスだと利益を出してください、役に立ってくださいということが根底にあるのが自由競争社会なので、場当たり的に魚を与えるのではなくて魚の採り方を教えないと意味がない。再チャレンジ制度も、チャレンジしていない人を救う必要はないし、同じ状態でチャレンジしてもまた失敗するだけなので、あなたがもっと強くなるように私たちはこういうサポートをします。その上であなたがどこまでやりたいですかというような機会を与えていく。そういう形でのセーフティネットを与えていく。それを自由競争社会とセットとして考えていく必要があります。ですから、本来的にはセーフティネットは要らない。本来の自由競争にはなっていないという視点です。
小紫  セーフティネットは必要ですが、そのやり方を考えて、個々を向上させる形の手段を教える。そういうのは自由競争社会とワンセットであってもいいとは思います。
松本  外から見た日本、アメリカの制度が長けているような人材投与の部分であるとか、例えばセーフティネットが本当にかかっているのか、相違点で気づいたことはありますか。
松岡  アメリカは、民間で通用することが行政でも通用する。そこの価値基準が共通であることが外から見て明示的です。そういうものが担保されていないと、私は、今の官僚で働きたいですかと言われたら全然そうじゃないですし、私と同じくらいに行政に入った人は学生時代の輝きが失われていっているというのが、私の率直な印象です。  民間は金を使わないことが尊ばれますが、官僚ではそうではない。それは民間が正しい。その基準を官僚の中でうまく使う仕組みが必要です。やるべき人がきちんとやることが自由競争社会なので、それをやった上で、例えば民間の優れた知識なり何なりを使った上で解決できるのかできないのか、まずそれを試した上で格差を考えていくべきだと思います。
松本  今の考えに対して反論する部分は何かありますか。
小紫  10年霞ヶ関で働くと、幾ら頑張っても自分の成長曲線は鈍化するものではないかというのは感じます。公務員になりたくないと言われてしまいましたが、PSR的な意識を持っておられる方が今の私のポジションに来ても、面白いことは絶対できると思います。  アメリカは行政も経営だという認識です。扱う事象がビジネスかパブリックかの違いだという土壌があるので、リボルビングドアもやりやすい背景があります。日本もそういう土壌に近くなればリボルビングドアは進むし、進めていかなければいけないと思います。
松本  信頼社会とはどういったものなのでしょうか。
松岡  自由競争社会において勝てる戦略は、人を信頼することです。強い個人が前面に出ていますが、実際はチームが勝つんです。そうすると、逆に個人を信頼していく。自分がどういう人かを知っていて、どういうふうに伝えなければいけないかを知る。それがスタートです。前提が異なる人と向き合うことを小さい頃から実体験としてやっていって、チームでやっていいものができたというのを実感していくことが自由競争社会で生き抜くすべであることを知るので、それを小さい頃から実感できるプロセスを作ることです。

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松本直勝小紫雅史氏 松岡洋平氏

小紫  私は人と話すのがむちゃくちゃ好きな人間なので、人とコミュニケーションすることを楽しんできました。「プロジェクトK」もそうですが、環境省の中でも「環境省を変える若手の会」を作っています。外の方を呼んで勉強会をし、官の思考で物を考える弊害を常に意識しながら民間の方との接点は作ってきたつもりです。人とのコミュニケーション、自分の考えていることを伝えられる、そして伝えることは楽しい、面白いと思える力は付いてくるものです。楽しんでコミュニケーションを取ることが重要だと思います。
松本  コミュニケーション手法が変わっても、人が人と向き合っていくところで信頼をしていく。これこそが社会であると思います。そんな中で、官僚と民の立場、官と民を取っ払って、私たちがこの国はどうあるべきか、国家像を踏まえてとりまとめをお願いします。
松岡  祖母は中山間地域で農業をしていますが、高齢で農業ができないときに、集落の方も高齢ですが、その方々が農作業を手伝ってくれる。それは僕が小さい頃から見ている信頼型社会の原点だと思います。ビジネスとして利益を成立させつつも、そこに参画する人がお互いのことをわかりながらやっていくことを原体験として小さいときから見ている。その中で規範となる人を見ながら育っていく。複数の学年がまたがった中で、自分自身が誰に見せていかなければならないかというのを教育の仕組みに入れる。信頼社会のひな型としてそういう原体験を小さい頃から積んでいくところに賭けたい。私自身が利益を出しながらPSRみたいなものを実現していく範として社会に訴えかけていきたいと考えます。
小紫  「プロジェクトK」で出している目指すべき国家像ということで、真に豊かな国家、幸せな国家をまず目指す。官と民、民と民、官と官、個人と個人が共に物事を作り上げていく国家。行政が小さくとも質の高い政策を生み出す国家。この三つを考えています。これを全て融合したものが信頼型社会の目指す最終到達点かなと勝手に想像しています。  村尾信尚さんが言われた「そったくどうき」というのが信頼型社会の最終形だと思います。一人ひとりが実力のある者になる、主体的に動けるようになる、問題意識を持って自らアクションのできる人になる、かつ倫理、必要性、人から信頼してもらえる人になる。そういう人たちが集まって共鳴し合う、そういう出会いがそったくどうきという言葉で表現されるのではないか。この言葉の意味するところは、卵から雛がかえるときに雛が中からくちばしで殻を突付くが、それだけだと雛は生まれない。親が外から殻を突付くだけでも卵は割れない。雛が中から突付いたときに、同時にそれに呼応して親が外から突付くと卵が割れるということらしいです。うぶな雛が少しずつ殻を突付いて、それに外の方が呼応していただいて、外から殻を突付いていただく。それによって霞ヶ関は変わるんじゃないか。その一つが「プロジェクトK」だと思うし、NPOという形になるかもしれないし、政策集団、コンサル的なことをする社会的な企業もあるかもしれませんが、そったくどうきの具体的な動きが全てあいまって三つの国家像とか信頼型社会ができるのではないかと思います。
松本  信頼社会を創る原点は、思いやりを持つことだと思います。それは優しさであり厳しさを兼ね備えてなければいけない。優しさが甘さのような今の社会になっていること、駄目なものは駄目としていくことが必要です。考えても事は進みませんので行動していこう、実践していこうということで、私たちも運動していきます。ありがとうございました。



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主管 社団法人東京青年会議所 9月例会プロジェクトチーム
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