日本版NSCとは? |
| 高橋理事長(以下高橋) |
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安倍首相が今回創設を目指す「日本版NSC(国家安全保障会議)」について伺います。具体的な中身についてはまだまだこれからと思いますが、どのような点に目的や意義を持って創設されたのでしょうか。
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| 小池百合子内閣総理大臣補佐官
(以下「小池」) |
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環境大臣を3年間やり遂げ、達成感を持ってホッとしていたところに、「国家安全保障を担当する補佐官」を安倍総理から任命されました。二つ仕事があります。一つが各国との連携につき、官邸や総理の補佐をする役割。そしてもう一つは、今お話があった「日本版NSC(ナショナル・セキュリティ・カウンセル)」の研究です。補佐官を五人も置いたのは、官邸の機能強化の一環です。私が環境大臣の時にも嫌というほど感じましたが、各省庁・役所が省の存続や省の予算の拡大など、目的が非常に矮小化する傾向に陥入りがちです。国家としての単位で考えなければならない所を各省庁の縦割りで進めると、スピード感でも戦略的な広がりでも大いに欠けることになります。ですから官邸が「国としてどうするべきか」を決めなければいけないのです。官邸という総理の下に、迅速で、総合的に、国益として資する判断を下すための機能をつけていきたいというのが、基本的な趣旨です。 |
| 高橋 |
日本では省益という主張があまりにも強く、本来の国家のあるべき姿というよりも、各省庁の利権や既得権を求めてしまいがちですね。それを壊していかなければいけないといった強い覚悟ですね。 |
| 小池 |
省庁同士が常に調整していると言っても、時間はかかるし、広がりに欠けてしまいます。「範囲を広く、話は深く」そして、長期を睨んだ戦略を描く為にはどんなシステムがいいのかをこれから研究していきます。そもそも、省益ばかりを追求する時代は過ぎたと思うのです。右肩上がりの時には、皆ある種の分捕り合戦があったと思いますが。そんな事やっていると、「国滅びて省が残る」となりますからね。
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使命感について |
| 高橋 |
相当なリーダーシップと共に、官邸や補佐官という立場で大きな壁に向かっていかなければならないという重責があると思われます。女性という事もあって、過去にご苦労があったと記事で読んだことがあるのですが、ご自身の使命感やご自分の中で秘めているパワーの源は、どういう所からきているのですか? |
| 小池 |
日本のNSCは現状ではノー・スタッフ・センター状態で、本当にゼロからのスタートです。
設計図描きから始め、目的はとにかく大きいですから、これ程やり甲斐のある仕事はありません。女
性だからというのも、時にはプラスに働く事もあるので、プラスの部分は最大限活用しようと思って
います。ただ、一所懸命に仕事しても背後で誰かが指南しているのだろうと思われたり、仕事の本
質で理解されるまでに、若干エネルギーがかかりますね。でも、何と言われようが手伝わない人はあく
までも手伝ってくれませんから、陰口の類は置いといて、やる事だけやる。これまでもその方針でや
ってきました。まさに使命感を持って仕事を重ね、結果を出していきたいと思います。
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「共感」が動かす!
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| 高橋 |
環境大臣の頃のお話ですが、ブラックバス規制や環境税など、過去にはなかなか触れられなかった課題に進んで取り組まれてきたのが、まさに今のお話と重なってくるかと思います。 |
| 小池 |
環境の分野で言うならば、専門家は環境省の中にゴロゴロといます。しかしながら、総合的に判断して国家を考えるのは、まさに政治の責任です。私は、この国に生を受け生活を送る国民が「やはり日本で良かったな」と思えるような国作りをしなくてはいけないと思っています。ただそういう理念だけでなく、国民に実際に協力してもらわなくてはいけない事が沢山あります。例えば環境に関しては、もともと感性に訴えかける部分が大きいので、その部分をしっかり訴えるべきだと考えました。大義の無い政策はありえませんが、それを大義だけにとどめず、国民としてやって貰いたい事を楽しく「参加してください」という感じで始めたのです。私はこれを「共感」と言っているのですが、大義と共感があって初めてものごとは動くと実感しました。そういうコンセプトを明確にしていったのです。ただ、最後は「自分がやらなければ誰がやる?」という気持ちで決めました。 |
| 高橋 |
環境を良くする為に28度に設定しましょうとか、レジ袋を持つのは止めましょうとか、意識の改革を投げかけても、「28度じゃ暑い。袋が無いと不便。」などと具体的な行動には移せないと思うのです。その中で、クールビズというスタイルはネクタイを外して襟元を涼しくすればいいとか、風呂敷を持とうなど、非常にわかりやすく、具体的な行動に移せる提案をされ、私たちに伝わってくるなと思います。 |
| 小池 |
環境の場合は、「これをしちゃ駄目、あれをしちゃ駄目」のように、「〜するな」という意味のDon,tが多いのですが、私が提唱しているのは「これしましょう、あれしましょう」というDoが必要だということです。このコンセプトを提唱する事によって、皆が面白がって「次は何をやるんだろう」と。これが期待に変わると、ムーブメントになっていくのです。 |

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日本の弱みを強みに変える |
| 高橋 |
環境という問題を解決していくには、規制しか無いのかなと思っていた事があるのですが、逆に規制という押し付けよりは、前向きに意識を変え具体的な行動に移していける仕組みが理想なのかなと。それを小池先生は上手く実践されていると思います。
その中でもうひとつ、環境と経済の問題があります。アメリカもそうですが、相反するということで、なかなか両立ができないという問題がありました。小池先生の場合は、環境力・金融力を混ぜながら、経済と環境を上手く相乗効果をはかっていこうというお話もされていますが、それはどのようなお考えでしょうか? |
| 小池 |
国家としての強みと弱みを整理していくと、日本はエネルギー、特に石油資源が無い。これって弱みですよね。ところが、日本はこの弱みを物作りや知恵を活用し、強みに変えています。ハイブリッドにしても、太陽光発電にしても、弱みを強みに変えたわかりやすい例です。これを更に後押しして、強みの部分をより強くしていきます。空気をクリーンにしたり、浄水したりといった施設や省エネの技術は、地球環境を良くするという、とても大きな意義がありますし、それを輸出する国は品格がありますよね。ですからそれを後押しする手法として、一つは環境税、もう一つが金融力の活用があります。日本は世界の冠たる金融大国で、1500兆円の個人金融資産がある。その個人資産はタンス預金になっていたり、超低金利で寝かしておいたりして、動いていないのです。 |
| 高橋 |
どうしていいか分からないのでしょうね。 |
| 小池 |
そうですね。震災があった時には、募金とかやっているじゃないですか。そういうのは、目的が明確でしょ?多くの募金が集まりますよね。それと同じように「エコロジーに使いましょう」「社会を良くしましょう」と、目的を明確にしたファンドはどうですか。「少子化対策ファンド」なども考えられます。株式投資信託にして株主、会社として成功すれば、他の会社が真似るようになります。結果として少子化対策が国の政策と共に進むと思うのです。こうしたシステムのファンドの事をSRI「社会的責任投資(Socially
Responsible Investment )」と言います。この規模が、アメリカの場合で残高が270兆円。イギリスで22兆円。日本の場合はたったの2600億円。桁違いです。私は「社会を良くする為に、皆さんがお持ちの眠っているお金を活用しませんか?」と提唱しているのです。エコファンドには課税面での減免処置を取るなど、国として後押しするのも一手です。環境大臣の時には環境の仕事が中心でしたけれども、今は国家としての安全保障が担当です。私は、色んな工夫をして日本の持っている弱みを強みに変えて、強みを更に活かすというコンセプトで海図を描いていきたい。結果として、持続可能な日本を作れると考えます。 |
| 高橋 |
私達は、地域の自立、市民の自立に向けた意識改革を行うことを目指しており、市民が社会に参画する手法を色々と考えています。目的を明確にしたファンドというと我々が提唱している1%制度(税金の1%を支援するNPOに寄付する制度)と通じます。今日のお話から、「否定だけでは無く、行動してみる」「後ろ向きにならず、前向きに考える」そして「もっとこうすれば良い方になるのでは?」という具体的な投げかけを行う、という先生の考え方が、とても分かりやすく市民に伝わるというイメージを持てました。今後の運動に活かしていきたいと思います。本日はありがとうございました。 |