理事長あいさつ 2008年6月

いまを生きるJAYCEEへ 確かな未来(あした) は我らが拓く!
理事長所信   新年ご挨拶   理事長経歴   副理事長・専務理事   出向者活動 
年間スローガン/基本方針   委員会等の機能と役割   各デザインの方向性 
理事長あいさつ2月理事長あいさつ3月理事長あいさつ4月理事長あいさつ5月

 

2008年度理事長予定者 相澤弥一郎「真の国際人とは何か」梁瀬氏の訃報に思う

 3月13日、輸入車販売の最大手である(株)ヤナセ名誉会長の梁瀬次郎氏が逝去されました。梁瀬氏は東京青年会議所の創立時にも積極的に参画されたメンバーであり、およそ60年前の国家再建の一翼を担う青年経済人として多大なるご貢献をされました。日米両国の自動車殿堂入りを果たすなど、我が国の経済発展だけではなく、世界流通の一翼を担い、戦前から現在の日本に至るまで世界中を相手に輸出入を機軸に活躍されてきた方です。こここに謹んで梁瀬次郎先輩の偉大なるご功績を称えご冥福を祈念いたします。

 

 梁瀬次郎氏は、真の国際人は英語教育だけでは達成されず、相手の文化を尊重しつつも、自国の文化や歴史といったアイデンティティを理解して相手に説明できなければならない、と主張されておりました。現在の日本人で、外国人にはわからない日本固有の生活様式や宗教観、歴史観といった日本自体を語ることのできる人は多くはないと思います。しかし、国際社会においては、自らの民族的なアイデンティティを理解していることから相手から初めて信用を得られるのであって、これは交流において個人にもできる外交の一つであると感じます。しかしハシの使い方さえままならい現代日本人にとって、非常に重くのしかかった課題といえますが、自国を理解し、相手の文化を尊重しあうことで相互信頼による世界の平和が確立されていくのではないでしょうか。

 

 政府方針に観光立国を目指すことが重要項目としてあげられており、工業生産国だけではなく、日本の観光資源に着目し、旅行者を広く受け入れていくことで観光産業も新しい機軸として捉えていくことの重要性は、経済停滞国として再生のチャンスであります。
 本文執筆中にアテネで行われた国際オリンピック委員会理事会において、2016年の開催立候補都市として東京は一次予選を通過しました。開催能力で高い評価を得て、本選に向けて招致運動の一段の加速が必要になってまいりましたが、いよいよ国際社会の表舞台で素晴らしい成長を遂げている日本をアピールすることができる最高のこの機会を契機に、観光客でしかなかった戦後日本人から、そろそろ私たちは脱却をはからなければならないのではないでしょうか。

 

工業生産から観光産業へ

 現在、我が国の国際競争力はほんの10年で最上位組から転落し、経済一流政治二流などといわれていた時代は懐かしくさえ感じます。大戦以降の世界的高度発展の時代は工業生産がシェアを高く占めていた時代でしたが、観光や流通・サービスに関する項目がいよいよ最大シェアになろうとしています。
我が国の中小企業の経済活動領域は国内だけではなく、広く海外とのビジネスを展開できる可能性も広がっていることは周知の事実です。青年会議所の構成メンバーだけを見ても、日常程度の英語能力を持つ会員比率は年々高くなり、学生時代などで留学・遊学の経験を持つ恵まれた層が増えており外国語能力を有するものは珍しくありません。これまでの国際能力といえば外国語能力で測ることが前提でありましたが、梁瀬氏の言うように、国際人という真の定義はそれだけではたりません。例えば私たちが国内外を問わず観光や商用でどこかを訪れる時、そのマチや都市の成り立ち、歴史、民族性といった文化面にも純粋な興味を持つものです。その時、訪れた先で出会う人々に触れることでそのマチを体感し、理解します。しかし、海外旅行の観光客として慣れてきた日本人は逆に迎え入れることには慣れていないように感じます。日本の観光立国は整備上の問題だけでは達成されず、国民の意識変化が課題であると考えます。

 

日本初太平洋横断「咸臨丸」に見る外交センス

 ペリー来航を機に開国した当時の日本人たちは、世界中から高い精神性や美しい民族性に驚嘆と尊敬を持って迎えられたそうです。
江戸時代末期、木村摂津守、勝海舟らを乗せて日本初の太平洋横断に成功した「咸臨丸」がサンフランシスコに初上陸した際、歓迎晩餐会において「日本の皇帝とアメリカ大統領の健康を」とサンフランシスコ市長が乾杯の発声をした後、木村摂津守は「日本の皇帝がアメリカ大統領の前にあったが、今度はアメリカ大統領と日本の皇帝の為に乾杯」と見事な切り返しをして大喝采を浴びたそうです。今でこそ当たり前の話かもしれませんが、極東の未開国でしかなかった当時の日本人が、黒船の脅威の国、アメリカ初上陸に際して、堂々と国際人としてのセンスを持ち合わせていたことは驚きに堪えません。
真の国際人として、外ばかり見るのではなく、内にある素晴らしい価値を私たち自身が改めて理解することを念頭に、東京青年会議所は真の国際人の育成を主軸に民間外交の一翼を担ってまいります。

 

参考文献:
株式会社ヤナセ広報宣伝室発行 「故梁瀬次郎取締役名誉会長追悼集」
幻冬舎刊 爆笑問題著「日本史原論 日と米」

 

 

 

理事長あいさつ2月理事長あいさつ3月理事長あいさつ4月理事長あいさつ5月
理事長所信   新年ご挨拶   理事長経歴   副理事長・専務理事   出向者活動 
年間スローガン/基本方針   委員会等の機能と役割   各デザインの方向性 

 

 

 

ページの先頭へ