理事長対談

財団法人社会生産性本部会長であり、東京青年会議所の理事長や日本青年会議所の会頭も務められた牛尾治朗先輩に、かつての青年会議所活動を振り返りながら、青年の社会貢献活動についてお話頂きました。

社団法人東京青年会議所第  相澤弥一郎 財団法人社会生産性本部会長 牛尾治朗氏

時代に沿ってNPO化してきた青年会議所

相澤

牛尾先輩がJC活動をされていたのは随分前になりますね。

牛尾

東京の理事長をしたのは40年前です。36才でした。日本JCの会頭をやったのは69年です。あの頃は安保の問題もあって、安全と防衛を打ち上げたから結構JCが社会から注目されているときで、外務省等も全面的に協力してくれました。それを思うと、今のJCは、ここ20年位前から、経済団体からNPO化してきましたね。だから、国連なんかにもみんな登録するでしょ。僕はそれはそれでいいんじゃないかと思います。前衛的に地球の資源問題なんかも昔から言っていましたので。でも単なるNPOでもないんですよね。

相澤

そうですね。国政のことも考えますし。加えて地域の23区の生活者視点に立った運動も行っていますし。

牛尾

そうそう。そういう意味でもNPO的でいいんですよね。僕が会頭の時には商工会議所と連携をして、商工会議所と日本JCで飛行機を一機アメリカへ出しまして、流通視察チームをつくって飛んだりもしました。商工会議所から100人ぐらいと、JCから200人ぐらいで、一週間共に過ごしたんです。

相澤

我々の中で、飛行機をチャーターして横田から出せないかという話が上がっております。国際化に向け、横田基地から石原都知事 を連れて、例えば何かの国際会議へ行こうとか、そんなツアーができないものか考えているんです。

牛尾

それはできますよ。チャーターだったら。

相澤

米軍が許してくれるかが最大の問題なんです。

牛尾

米軍は石原さんと一緒に交渉すればいい。石原伸晃氏も一緒に行くんなら、それはアメリカも認めますよ。石原親子も行くんだったら、一回テストでやってみようって言ってくれるかもしれません。

相澤

やる価値はありますよね。

牛尾

東京JCは、一般の人にあまり知られてないし、そういうことはやった方がいいですね。

一年五、〇〇〇時間の使い方

相澤

この度、公益法人改革の制度に伴い今後の東京JCが公益を担保していけるかどうかと、無駄な時間を省くような生産性の向上の為に、社会経済生産性本部の前田さんに東京JCの監事をお受け頂きました。

牛尾

生産性は上げた方がいいですよ。僕は、東京JCの時に平日の昼の一部や勤務時間には会議をしませんでした。日本JCは土日にやれと言ってたんですよ。日本JCの会頭当時でも金曜日の午後から月曜の午前中、それ以外の時間にJC活動はしませんでした。

相澤

一般の人もJC運動はできるという証明ですね。

牛尾

対談風景JCは、経営者という経営に関しての専門家が、余暇の時間に社会運動や政治運動やグローバルなことを、アマチュアの切り口で提案するところに意味があると思うんですよ。その人が支持すれば、少なくとも100名の賛同者を集められる、そういう人間の集まりです。100人集まれば、一万人の協力が得られるわけですから。だからこそ、仕事もでき、信用もされる人がJCに入らないとだめ。きちんと仕事はしないと。僕も働いて、会頭の翌年に上場しましたからね。僕は当時、一年五、〇〇〇時間という問題提起をしてたんですよ。人間には10時間の睡眠・食事・トイレ等を除いてマネージャブルな時間が1日14時間、週100時間、年五、〇〇〇時間ある。会社で二、五〇〇時間縛られる。残りの二、五〇〇時間はがら空きなんですよ。この中の500時間、最高でせいぜい一、〇〇〇時間がJCですね。仕事ばっかりしている人は経営判断を間違えますね。ワーク・ライフバランスです。日本人にありがちなライフの時間の二、五〇〇時間が全部家庭で、家族と食事というのは間違い。JCを含めて外部と付き合うビジネス・コミュニティーも重要なんです。働く二、五〇〇時間の使い方も重要。二代目経営者でも、先代から楽譜をもらっているようなもんで、演奏者によって、強弱も音程も全部違うわけです。要するに、プレーヤーによって楽譜は変わるんだと。だから働いている二、五〇〇時間も決められたワークではなく、個性は出せるんですね。ましてや、プライベートの時間は、全て自分で設計できるわけですから、東京JCで年に500時間、一週間10時間、週に2〜3回ぐらいできるわけです。

相澤

JCにおいても生産力や段取力を持ち、設計する力をつけなければ、時間的無理を強いる団体 ということになってしまいますね。

牛尾

労力が必要なものと言えば、わんぱく相撲はJCの外へ出してもいいんじゃないのでしょうか。わんぱく相撲の仕組みをつくることにJCの意味があって、運営はOBや相撲協会に協力してもらってNPOわんぱく相撲にすればいい。どんどん意見を出していくべきですね。

相澤

先程、設計というお言葉を頂いたんですが、意外と経営者の中で設計という考え方を持つ人は減ってきているような気がするんです。

牛尾

僕らのときは経済活動委員会というのがあって、そこで経営の勉強を一生懸命したんですね。JCのバッチを見たら「ここは金貸しても大丈夫だ」という団体にならないとだめだと思うんです。

相澤

そうですね。JCも忙しいんだが、会社も大きくなった。そういう実績の充実を図っていきたいと思っているんです。

牛尾

JC活動をすると、必ず「すごいな」という人を見て学ぶべきですね。逆にお粗末な人を見て安心して帰ったら駄目なんです。経営の勉強はしたほうがいいですよ。昔は東京JCでずっと経営セミナーを毎年箱根でやってたんですよね。

相澤

講師の方はどんな方ですか。

牛尾

僕のときは、ダイエーの中内さんやシャープの佐伯さんを呼んだりしましたね。東京JCだったらいい講師を呼べますよ。 会社経営の設計ができる基礎的な勉強をみんなにさせたらいいと思います。経営者の思いつきで世の中を渡る時代じゃないですよ。これから5年くらいは、特に、地場産業や伝統産業等は相当厳しいんじゃないですか。世間の風はJCにも多い同族会社に厳しいですしね。昔は、同族会社の息子さんが社会開発に興味を持ってくれたと言って、一時、拍手をもって迎えられた頃はあるんですよ、CD時代はね。CD(コミュニティー・デベロップメント)とLD(リーダーシップ・デベロップメント)というのは両輪で、LDの方で、経営の勉強や指導者の勉強をして、CDで実践ですよ。僕のときは、全国でメンバー全員がPTAの会長になれと言いました。三分の一がなったんです。これはすごいインパクトでしたね。

相澤

今でも多くのJC関係者が、PTAの会長になっていますから。

牛尾

どんどんやったらいいですよ。東京JCこそ、小学校や中学校のPTAに参加しようと。校長さんや先生と馴れ合う人がPTAの会長になるんじゃなくて、社会運動家として、経営者としての目で学校を見るという人が、どんどん会長、副会長になるべきです。私も、メンバーで皆教壇に立とうというのを5年前にやりまして、約100名で高校・中学校で年に5回程度やっています。若い人も目を輝かしてくれるんです。

相澤

経済同友会の社会体験実習は、たしか400時間ぐらい全国でやられてまいしたね。東京JCでも、講師派遣を継続して行っています。

牛尾

どんどん教壇に立ったらいいですよ。抽象的に教育はいかにあるべきかという議論は、中教審など山程あるので、実践する人の声を聞くというのがいいんじゃないかと思います。みんなの子供も小学校に入るくらいなんでしょう。

相澤

そうですね。

牛尾

幼稚園や保育園でも、最近保育園が評判いいんですよ。保育園の生活、全面教育がいいというんです。この時点で、母親リード型の世界なんです。父親が半分担わないとだめですよ、子供の進学方針なんかね。いいところばかりを目指す人が多いけど、人間にはタイプがあるんだから。未成年の非行問題等、青少年の教育には30代でなければできない運動もあるんですよね。

相澤

メンバーは何らかの問題意識をいろいろな場面で持っています。来年は、例えば正副が主導で何か決めるというよりも、その問題意識をどんどん吸い上げていくという仕組みをつくっていきたいと思っています。

牛尾

それと、やっぱり社会に対する影響力を持たないとだめなんです。それは大きな影響力じゃなくて、一人が、最低100名の人への影響力を持てばいいんですよ。

相澤

「100人に対する影響力」。これはぜひ、今年のキーワードにさせて頂きたいと思います。

二〇一六年オリンピック招致

相澤

オリンピック招致はどう思われますか。

牛尾

これはJCだけじゃどうにもできないことだけど、オリンピックが決まればプラスになると思いますよ。みんながそれに対して結集しますしね。二〇一六年は日本は最悪の状態が予想されます。今、労働者が500万人ぐらい減っているんじゃないですか。

今井

そうなんです。新しい東京のあり方を考えるということで、現在、招致委員会や都政と打ち合わせをしていまして、招致のコンセプトとして、東京の30キロ圏内にすべて会場を圧縮させて、自転車や歩きで移動できるように東京を公園化して、世界の人たちに見てもらうということで取り組んでいます。

牛尾

ただ、お金が相当かかるんじゃないですかね。その金をどうするかという基本的な問題はあるんですよね。

相澤

対談風景六千億円ぐらい見込まないとならないでしょうね。JCとしてのオリンピック招致というのは、あくまでも標題として扱っています。むしろ、その後の40年間をどう見るかを考えています。僕らが生まれた世代はオリンピック後の世代ですが、今の上下水道の整備ですとか首都高速とか、交通、電気、全部そのときのインフラで我々は暮らしているんですよね。

牛尾

首都高だって、あのときのまんまです。

相澤

この次の40年後はそれは保証できないという話ですので、オリンピック招致ありきというよりも、その後の首都東京が、日本の玄関として耐え続けることができるように、国際都市としての機能と国際協力を持ち続けたいというところも踏まえて考えています。

牛尾

そういう意味づけは非常に大事だと思います。これからも頑張ってください。

相澤

どうも有難うございました。

牛尾 治朗氏と相澤 弥一郎理事長
財団法人社会生産性本部会長
牛尾 治朗氏

ウシオ電機株式会社 代表取締役会長
■1967年東京JC理事長
■1969年日本JC会頭



社団法人東京青年会議所
第59代理事長 相澤弥一郎
■1970年生まれ1997年東京JC入会
■2003年東京JC理事
■2005年東京JC副理事長
■2006年日本JC国民主権確立特別委員会委員長



ページの先頭へ