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〜自立した国民による真の国民主権の確立を目指して〜
1 日本の抱える大きな課題
国家や行政に依存したシステムに慣れてしまった国民は、他人依存になると共に、社会に対する無関心だけでなく、「ひと」に対しても無関心である状況が蔓延している。思想や理念が欠如したお任せ民主主義は、官僚統制型の日本的社会主義国家になり、責任や義務を放棄した利己主義の国民を育てる結果となった。無関心で他人依存・自己中心的な行き過ぎた個人主義・公共心の薄れ・反道義的な事件が日常化し、家族の絆さえ失われ、まさに国は崩壊に向かっている。またこれらの解決にむけた個別の政策に答えが見出せない根源としては、国民自身が主権者であり、社会を構成する主体者であるという認識の欠如と、「御互い様」と「思いやり」などに見られた日本人の心が荒廃していることが考えられるのではないか。
2 理想の国家・社会の創造に向けて
個人の意識改革が進み、自助・自立・自己責任(*1)を確立することが出来れば、他者に対しても寛容になり、理解する心と思いやりが持て、さらにはそれぞれの経験や視点をもとに、お互いを尊重しながら合意を形成し、様々な連携を生み出す事が期待される。個人一人ひとりが、社会を構成する主体者として、責任と義務を認識し、共に生きるという共生の社会から、自らも参画し協力して社会を作るという連携と協働の社会に発展させていく必要がある。主権者としての自覚を持った、自立した国民による国民のための社会を創造していかなければならない。
3 東京青年会議所の使命
「新日本の再建は我々青年の仕事である」
この志こそが東京JCのDNAであり、日本におけるJC運動の原点である。私達の運動はこの国の明日を切り開くための展開でなければならない。また、政治経済の中心地である東京の青年会議所として特定の地域に限った運動だけでなく、他所に浸透する拡がりある展開や他に先駆けた運動を行う必要がある。東京JCだから出来ることを探求し、市民の視点を明確に持った新経済市民団体(*2)として、個々の社会的な立場(地位)に驕ることなく、しかし十分に自覚したノーブレスオブリージ(*3)の気概を持ち、自らが率先して行動していくことが我々の使命である。
4 東京青年会議所の目指すべき運動
東京青年会議所は、個人の意識改革と社会システムの改革という両輪運動を推進してきた。その経験から具体的に社会を変えていく為には、新しい社会システムの提案と実践が必要であることを実感した。今後は「社会システムの創造を通じた個人の意識改革」を機軸とし、地域や国民が主体者となるべく積極的な国民の社会参画を促す運動を展開する。
4−1 新社会システムの創造
国民一人ひとりが国家や社会に関心を持ち、積極的に社会に参画していく意識の醸成と、それを促す社会の仕組みが必要である。国民が社会を自ら創り出し、この国の進む道を国民自らが選択しているという実感を持てるような社会にしなければならない。
私達はモデルとなる制度や手法を提案・実践し、他団体や他LOM(*4)との連携や行政との協働による大きな国民運動へ発展させ、賛同を得た団体への移管や地域の規範策定、法改正や条例の制定により定着化を図るインターミディアリー(*5)として、国民の社会参画と社会選択を促進する。
4−2 個人の意識改革へ
新社会システムの創造に市民参画を促し、主体者としての自覚、社会的義務や道徳的責任を認識してもらうと共に、相互尊重する思いやりある心の育成を見据えた、個人の意識改革を目指した運動展開を行う。
市民の主体者意識が醸成するには、参加、選択、評価、を経験することが挙げられる。私達は、市民参加を促す運動、市民が選択肢を増やせる運動、市民が評価する機会や機関を構築する運動を行う必要がある。このような運動を通じて、まずは市民に危機感や気付きを与え具体的な行動に移せる道筋を示すことにより、市民から志民へ(*6)変革すべく、個人の意識改革を推進する。
4−3 運動のサイクル
運動は1年限りで終わらせるのではなく、PLAN(計画)、DO(実施)、CHECK(検証)、ACTION(改善)といったサイクルを確立し、複数年度における展開を見据えながら次年度に向けて改善した運動を継続していかなければならない。単年度制が弊害でなく運動の向上に?がるような進化を生み出さなければならないのである。その経過として外部の評価を積極的に取り入れ、自己満足の運動に陥らないように常に自らを省みる必要がある。
5 東京青年会議所の目指すべき方向
東京青年会議所は前項に述べた個人の意識改革を行うために、国民が社会形成に参画する新社会システムを連携と協働で創造する。併せて、既得の利益優先型社会慣習から本来の民主主義のルールに則り、民意が反映される公正な自由競争社会に変革し、この国における原理原則を明確に示すと共に、正しく機能する社会を構築しなければならない。日本的社会主義などと揶揄される現状を打破する為にも、国民が義務と責任を自覚することによって自立し、政治参加の手段とするだけの国民主権ではなく、真の民主主義(*7)が機能した国民の意思に基づく国民主権をこの国に構築するべきである。これらの方向軸を全体で共有しながら、個別の各政策や各地区の運動に反映させ、「自立した国民による真の国民主権」を確立していく。
我が国のあり方をかたち創るのは、未来に責任を持つ中心世代である我々JCの責務であり、
今こそ、日本の再建が必要である。
2005年5月理事会審議
| * 1 | 「自助・自立・自己責任」 | 自らの考えに基づいて行動選択した結果に対し自らが責任を持つという原則。 他人に依存せず、自分の力で向上、発展を遂げる。 |
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|---|---|---|---|
| * 2 | 「新経済市民団体」 | メンバーが個人で参加している“市民の団体”であると同時に、企業や業界の立場ではなく、社会全体の発展を目指した“経済団体”でもある。 市民の意識・視点を明確に持って活動する青年経済人の団体。 |
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| * 3 | 「ノーブレスオブリージ」 | 社会的に責任があったり特別の権利を得ることの出来る立場の人はその立場・地位に応じて社会に貢献する義務を負っているというヨーロッパにある考え方。ここではそのような気概を持つということ。 | |
| * 4 | 「LOM」 | 各地の青年会議所。 | |
| * 5 | 「インターミディアリー」 | 主体的な仲介者。単なる仲介者ではなく、様々な活動を相互補完(インタラクティブ)し、ベクトル(力や速度と方向)を統合した大きなパワーに集約する存在。 | |
| * 6 | 「市民から志民へ」 | ここでは、戦後アメリカからcitizenという言葉と共に入ってきた自由と平等主義の国民(市民)から自助・自立・自己責任を認識した国民(志民)への例え。 本来のcitizenとは中世ヨーロッパに由来した国政に参与する地位にある国民という意味であり、公共の形成に自発的に参加する人々を指すこともある。 |
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| * 7 | 「真の民主主義」 | 単に多数決の原理ではなく、国民主権を正しく行使し、相互尊重の理念に基づき、お互いを育み、公正な自由競争社会が構築された国民本位のイズム(主義) |

