東京青年会議所2009年度理事長 栂野 慶太 所信

第60代理事長 栂野 慶太

この国に誇りと希望を!〜新世界都市TOKYOが導く日本の未来〜

 

<明日への扉――日本人(にっぽんじん)の尊厳>

私たちの住む日本(にっぽん)は、次代の覇権を目論む大国に囲まれ、地政学上にも不安定な状況に置かれています。加えて経済のボーダレス化が進むなか、日本と日本人の国際化は立ち遅れているのが現状です。今以上に人、お金、物、情報が国内外を行きかう時代を迎えた時、この国のかたちを確かなものとするためには、何よりも私達が「日本人としての尊厳」を持つことが必要であると考えます。個の尊厳と社会の倫理が共存することで生まれる日本人としての尊厳とは、この国を愛し、主体的に社会を構成し、国の未来を創り出す責任を持ちながら生きることであり、激動の国際社会を生き抜く為には不可欠のものではないでしょうか。
物質的に豊かになった現在、社会の闇は広がっています。残虐な犯罪や自殺の増加に見られる事実は、この国の歪(ひず)みを表しています。日本人は尊厳を以てこれらの問題に立ち向かわなくてはなりません。この国の未来は他の誰に任せられるものでもなく、我々日本人自らが創り上げるものです。決して目をそむけることなく、逃げることなく、正面から立ち向かい、尊厳を以て解決していかなければなりません。未来は我々が創るのです。

 

<日本の現状――Jayceeがつくる次代の明るく豊かな社会>

今の日本や日本の歪みを象徴する都市『東京』から見えてくるものは何でしょうか。画一的な管理行政。古い街並みを簡単に投げ捨て、何処を見ても同じようなフランチャイズ系の飲食店が立ち並ぶ街並みに象徴される単調な文化。人々の持つ単一的な価値観。
本来、多様な価値観こそが創造を生み、重層的な文化・活発な社会を生むとすれば、戦後から続く現在の社会制度を改めて見直さなければ、このまま進む日本の未来に希望は持てません。また、現在のような物理的な豊かさや利便性、合理性を最優先するままでは、今まで人類が経験した事の無い、未曾有(みぞう)の社会問題がさらに頻発していくのではないでしょうか。
我々の住む東京という都市の問題は、日本の問題であり、日本の抱える問題は、世界の問題へと通じています。であるならば、この東京に住む意識ある青年経済人である私達が英知と勇気と情熱、そして創造力を持ってこの未踏の社会問題と戦う意義は重大です。経済偏重、利便性や合理性最優先ではない、日本人だからこそできる新しい世界都市Tokyoを築き上げ、この国の未来に誇りと希望を与え、新しい世代の明るく豊かな社会へと導く事こそが、Jayceeの責務なのです。

 

<進むべき道――新しい価値観の創造>

そして、60年の歴史を超える東京青年会議所の運動は、新しい価値観を求めます。
飢え苦しんだ世代が夢見た社会に到達した現在、当時見えなかった人間社会の新たな問題が生まれています。すでに、浪費や豪華さが豊かであった時代は過去のものです。今我々がすべきことは、この社会の抱える問題に対し、新しい形の(成熟した)明るい豊かな社会を目指し、新たな価値観を創造していくことではないでしょうか。それは、持続可能な都市の創造であり、尊厳をもって生きる国民の創造です。経済発展と環境保全、競争に打ち勝つしたたかな能力と豊かな人間性、相反する価値を、取捨選択するのではなく、「共生・共存」で結び付けることが必要であり、無限の可能性ある青年としての創造力で、既成の概念に捕らわれることなく、融合させ全く新しいものに生み換える必要があるのです。この新しい価値観の創造と伝播こそ次の我々の使命であると考えます。
日本と世界都市東京の社会問題が容易に解決されない今こそ、次世代を担う青年としての社会に対する行動は責務であり、その行動が新しい価値観を創造していくのです。

 

<取るべき策――世界を考える地域活動>

 東京青年会議所活動の根幹は地域における活動であり、東京JCには地区委員会があります。地区委員会は地域に根ざした活動を通して、問題の抽出機能と運動の実行・展開機能をあわせもち、正に運動の中枢を担っています。同時に、現場で抽出された問題と目指すべき理想を結ぶ方法が政策であり、政策委員会にはその分析・立案機能と発信・提言機能が求められます。
 「国際的な視点で国政を論じ、自分達の住まう地域で活動する」、これこそが東京JCの特徴であり、首都東京にある青年会議所としての誇りであり責務なのです。

 

<輝かしい未来へ――東京JCの可能性>

社会を変えて行く為にもっとも大切な事はメンバー一人ひとりが社会問題と真摯に向き合い、運動を推進する過程で本当の豊かさを実感することです。我々の団体の本質は、運動とそこに向けた議論の集約です。今まで積み上げて来た東京青年会議所60年の歴史は、あらゆる運動を可能にします。
私達が望みさえすれば、活動のフィールドは無限に広く、深く存在します。先達(せんだつ)が築き上げてきた輝かしい歴史は、顧(かえり)みるだけのものではなく、自らが加わり輝く舞台となります。

未踏の成熟社会Tokyoの問題に現東京青年会議所全メンバーが、自主的に問題を考えれば、それを運動に繋げていく土壌は先輩達から受け継いでいます。社会の変革にはそこに生きる全ての人間の力が必要であり、私達には、家族の住む地域、社会、母国の社会問題と戦う権利と義務があります。
年齢や職業に関係なく、この国に生きる全ての人、一人ひとりが担い創り上げる社会こそが成熟社会。街角一つひとつに、機能と役割、伝統と文化、豊かな国際性を内包(ないほう)する特徴の都市、東京。毅然とした強さと優しさを持つ日本人。すばらしい社会と地域、個人が一体となった次世代の日本こそ私達が目指す新しい国のかたちです。
東京青年会議所から始まり、全国に広まった日本の青年会議所運動のごとく、60年目を迎える新しい青年会議所運動をこの東京青年会議所から生み出そうではありませんか!

 

昨日を想い、明日の創造都市の礎とならん
新価値創造、選択の時代から共生・共存の時代へ
個の尊厳と社会の倫理が共存する社会をJayceeの手で
〜新世界都市Tokyoが導く日本の未来〜