理事長あいさつ

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2009年度理事長 栂野慶太
拝啓
酷暑の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。

去る6月18日、「ビジネスの軸を23.4度傾けろ!〜地球環境を軸とした持続可能な社会を求めて〜」と題して、6月例会が行われました。

例会の内容を端的に申し上げれば、グリーン産業への産業構造転換のための巨大投資により、新たな雇用、産業を創出するという内容でした。

強く感じたのが、今までの産業界が自動車や電機製品で世界の覇権を争ったように、今後の産業界はこの環境製品によって次の経済的なフロントランナーを目指すこととなるでしょう。

これは、新たな産業や雇用を生み出すだけでなく、私達の生活を大きく変えることになるかもしれません。例えば、20世紀の戦争の多くは、石油に起因するものが多くあります。もし、自国のエネルギーを太陽光や風、地熱などで全て補えるだけのエネルギー技術革新があれば、今後争いごとは起きなくなるかも知れません。
少なくとも、当時の貴重品をめぐって争ったスパイス戦争やボストン茶会事件のように、今から考えれば、なぜ胡椒や紅茶で争いごとが起きるのか不思議に感じるように、石油が理由で争いごとが起きたことを不思議に思う時代は来るでしょう。

普段、環境のセミナーやフォーラムに参加すると、「このまま地球の温暖化が進むと、100年後の地球は・・・・。」という内容で、100年間のシミュレーションを世界地図の上で早送りして危機感を煽り、「だから今一歩何かを踏み出そう」と言って終わってしまう事があります。

同じ環境保護の方向でも、我慢を強いる環境保護と夢見ることが出来る環境保護、これには大きな差があると思います。

「環境保護」が先進国や大国のコンセンサスとなってまだ15年。「環境保護」途上にある現在、まだまだ私達の生活に我慢を強いて、環境保護を進める事は致し方無いとしても、それでは事は長く続きません。

嘗(かつて)バブル期、私がよく遊びに行った山小屋の目前がリゾートマンションの開発の為、木々が伐採され、整地されました。幸か不幸か、その計画は頓挫し、高層のリゾートマンションが建つことは無かったのですが、放置された広大な広場や、何の手入れもされないまま、20年が経ち、やっと私の背丈の倍程の細い雑木が茂る程度になりました。元の森に戻るまで、自然の力による復元力だけでは100年以上掛かるのかもしれません。

そんな状況である現在、経済効率第一主義、経済的合理性最優先の考えを見直し、本当の豊かさを考えなければなりません。

もちろん、私達から生活の糧である「経済」を「環境」に優先して取り除くことはできません。しかしながら、これからは経済的な豊かさを環境技術により手に入れるという新しい時代に入ります。相反すると思われていた二つの事柄を、同じベクトルに向かわせることもできる、それが人間の創造力であり、これからの時代に最も必要な人間の力なのでしょう。
敬具