理事長対談

理事長対談

2009年3月16日 例会前
テリー伊藤氏(テレビプロデューサー)
栂野慶太(社団法人東京青年会議所第60代理事長)

栂野理事長

今日は2つの質問をさせていただきます。

1つ目は、日本人は国際人として何が欠けていて、外国人に「ここがヘンだよ」と言われてしまうのか、についてです。

私が10年間のアメリカ生活を終えて日本に戻ってきたとき、ちょうど「ここがヘンだよ日本人」をやっていて、これはかなりショッキングでした。例えばアメリカでは家を借りるときに国籍など聞かれませんでした。本当に東京は国際都市なのでしょうか? テリーさんがあの番組を作られたとき、日本人としての危機感を独特の視点でとらえられていたのだと思います。そこでまず1つ目は、日本人として、ここが変わっていかなければいけない、というところをお聞かせいただきたいです。

テリー伊藤氏

たぶん日本人は、愛想は良いと思うのです。ですから外国人も受け入れるのですが、最初だけ受け入れてしまうのだと思います。Welcomeで外国人が来たのはいいけれども、2〜3日いると「ここからは入ってこないで」となります。日本人同士でもそうだと思います。最初は愛想が良いけれども長くいられると困る。これは日本人の体質として持ち合わせています。外国のタレントさんも、最初はすごく騒ぐけれども、毎年毎年来ると、また来たのかよ、と飽きちゃうところがあります。このようなところが、これからはどうなのかな、と思います。

また、日本人は、相手の力を引き出すことがもしかしたら下手なのかなとも思います。女性とつきあって、結婚して、その人の人間性であるとか要素を引き出す能力が果たしてあるかどうかというとわからないです。結婚してもきれいだよと言い続けることができるかどうか。外国の方も同じで、その人間性や要素を引き出す能力があるのかな、と疑問に思います。

栂野理事長

テリー伊藤さんが幼少のころ、築地では、向こう三軒両隣は誰でも受け入れていましたよね? 現代は日本人同士でもそれが無くなってきたことと、また外国人に対しては苦手意識があるということなのでしょうか?

テリー伊藤氏

苦手というより、受け入れたく無いのだと思います。うちの実家にだって外国の方がいますよ。築地市場みたいな大変な仕事だと日本の人たちがなかなか働いてくれないです。

でも、看護士さんが少なくなってきている中でフィリピンからの人を受け入れないのは何故か? 恐らく、なんとなく嫌なのだと思います。それと同じようなことがすごくあると思います。

海外に日本人が旅行に行ったときに、ツアーで行って、免税店で買い物をして、現地の人とふれあうわけでも歴史を紐解くわけでも無く、どこに行っても自分のペースですぐに帰ってきてしまう。これと似ているのではないかな?

栂野理事長

根本的に、国際人としての受け入れる努力をしていかないと、国際的な日本人にならない、ということですね。

テリー伊藤氏

国際的かどうかわかりませんが、外国人の友達がいる日本人ってあまり多く無いですよね。その辺の身近な外国人と友達になることができればいいな、と思います。日本人が悪いというだけではなく、そういう社交場が少ない、ということもあります。例えばサッカーができるとか野球ができるとか音楽ができる、とか、お金がかからない形でできればいいなと思います。

栂野理事長

2つめの質問です。今の若い人には、社会と関わっていこうという気持ちがとても少ないのではないか? と思いますが、テリーさんは学生のころから学生運動などをされ、その後のご活動でもいろいろな面で社会と関わっていらっしゃいます。

独特の切口で社会問題を語り、問題意識を焚きつけているテリーさんに、是非、社会と関わることへのモチベーションについて教えていただきたいと思います。

テリー伊藤氏

学生時代は意外と純粋だった気がします。いまの若い人は逆にかわいそう。

今は「君、真面目だね」って言われると、それは、褒め言葉ではないですよね。今は、この人は面白い、とか、ちょっと悪いよ、っていうほうが褒め言葉になっていて、価値観が昔と違ってきています。

我々が学生時代は、大学の使途不明金を追求する正義感から運動をしていましたが、今の時代は、真面目に生きることがかっこいい時代ではないので、しらけてきてしまいました。

もう1つ社会にかかわっていたいな、と思ったのは、大学を卒業したあとお笑いの演出家をしていて、「お笑い」が人生において大きなファクターだと思ったからです。英語ができるとか、お茶ができるとか、お花ができるとかと同じよう「お笑い」ができる、というのは大事な能力になっていると思います。私はかつて「お笑い北朝鮮」という本を出しましたが、それまで北朝鮮というものをお笑いという目線で言った人がいなかったのです。斜めで物事を見るのはものすごく必要です。

第二次世界大戦をはじめるとき、お笑いのセンスがある人がいて、陛下、これ負けますよ、という、ユーモアの感覚を持った「ぶっちゃけトーク」ができていたら、結果は違ったかもしれません。

いま中高年の自殺が増えていますが、真面目で突っ張って生きてきた人が中高年になって壁にぶつかったとき、ユーモアの観点で自分の弱さを出したり面白いことを出したりしていけば、傷つかなくて済んだのではないか、と思います。

そういうとらえかたで社会を見ていくように訓練しました

栂野理事長

お忙しい中どうもありがとうございました。


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