東京青年会議所2010年度理事長 安藤 公一 所信
第61代理事長 安藤 公一
一人の東京JCメンバーとして
私とJCの最初の接点は、25年前メンバーであった父の姿でした。しかし父が帰ってこない方が気楽だった私にとって、JCは父と顔を合わせないで済む都合の良い理由のひとつでしかありませんでした。その後27歳になった私は現在の社業を立ち上げたばかりで、刺激的な仕事、学生時代の友人との楽しい時間など、公私共に適度な忙しさに充実感を得ながら毎日を過ごしていました。JCの先輩が会社に訪れてきたのはそんな時でした。
私の入会動機は多くの皆さんと同じ「自分の交友関係を拡げていきたい」ただそれだけでした。しかし、所属したのが3人しかいない地区委員会だったこともあり、友人作りどころか、新入会員として単純にお手伝い参加をするという余裕は与えてもらえませんでした。JCは友人を作る団体じゃなかったのかと思いながらも、人数が少なかったため就任せざるを得なかった各事業の責任者としての経験は、その後の事業の成功や会員拡大という実績に繋がったと考えています。
入会して10年、委員長、理事、日本JC役員、そして副理事長と役割を頂き、活動してきた私に、JCは当初の希望通り、たくさんの友を与えてくれました。また同時に、それぞれの役職においての活動を自分なりに必死に取り組んだ結果、友人の数だけでなく本当の友情を私に教えてくれました。JCは社会への貢献活動やJC組織のための活動を問わず、すべての人に対して無償の【奉仕】を行う場であり、懸命に無償の奉仕活動を行ったメンバーだけが得られる経験がそれぞれの【修練】に繋がり、共に積んだ修練の先に世界との【友情】を与えてくれるということを私に気づかせてくれました。
私は東京JCから「3人の友」を得ることができました。
あなたの奉仕は十分でしたか?多くの修練を積めましたか?
すでに「3人の友」を持っているあなたのJC活動は、東京JCにとって誇るべき偉大な功績なのです。
日本、東京の現状 〜多様性の先にあるもの〜
親たちよりも低い生活レベルを経験することになるだろう」
私たちは今、激動の時代に生きています。昨年後半からのアメリカの金融危機に端を発した経済の混乱は、ふたつの点で私たちの住む世界の構造の変化を実感させるものでした。ひとつは情報・経済のグローバル化がさらに進展し、世界の動向が私たちの仕事や生活に直結した影響を及ぼしているという点です。もうひとつは、アメリカを中心とした一極集中の世界の仕組みから、いくつかの大国といくつもの国々が協調をして世界の秩序を守っていかなければならなくなったという点です。いわば多極化した世界です。
このような世界の中にあって、日本は私たちの生活を守るために、外交においては、より厳しさを増すであろう多くの国々との交渉を求められ、内政においては、確固とした行動規範と盤石な財政状況を創り上げなければなりません。私たち日本人一人ひとりが政治を通して、これらの問題に立ち向かい克服していかなければならないのです。
また、私たちの事業や生活の基盤となっている東京についてはどうでしょうか。与野党問わず、既定路線となりつつある道州制、その議論における東京の位置づけは未だ定かではありません。国際都市東京を日本の中でいかに創り上げていくのか、経済、そして生活の面からも真剣に議論をして、声を上げていかなければなりません。地方分権の流れの中で、医療や、介護、福祉は、地域で行われるべきであり、大都市東京におけるそのあり方も私たちが考え、議論し、より豊かで安心して暮らしていける都市を創り上げていかなければならないのです。それが子どもたちへ世代を引き継いでいく、我々大人の責任なのです。
このままの状況では、日本は戦後史上初めて親の世代より子どもの世代の生活環境が悪化する時代を迎えてしまいます。60年前、私たちの先輩が思い、行動したように、私たちは私たちの活動から、ひとつひとつ着実に、失われた日本の未来を創り上げていかなければなりません。
社会との約束 〜明るい豊かな社会のために〜
志を同じうする者、相集い、力を合わせ青年としての英知と勇気と情熱をもって
明るい豊かな社会を築き上げよう
私たちが集うたびに唱える、この綱領は1960年、今から約50年前に日本青年会議所で決議されたものであり、東京JCも社会と共に歩む社団法人として、社会の健全な発展に貢献し、明るい豊かな社会を創るという約束をしているのです。すべてのメンバーはこの綱領と共に活動し、同志を集い、その時の社会問題へ対応して事業を行い、明るい豊かな社会を創造するという決意を持って行動し続けたことが、現在までの東京JCの栄光に繋がったのです。東京JCは経験や実績をもとに常に変化し、発展する努力を怠ることなく、この「社会との約束」を遂行する義務を果たさなければいけないのです。
還暦を迎え生まれ変わった東京JCが、61年目を迎えるにあたり、メンバーである私たちは明るい豊かな社会を創造するという「社会との約束」に立ち戻り、重く受けとめ、決意を持って新たな一歩を共に踏み出していかなければならないのです。
東京JCの目指すべきかたち
「歴史は学ぶものであり、従うものではない」
「変化という大きなうねりに対応する一番の方法は、自分が変化を創り出す人となることだ」
私は日本、東京、そして各地区における問題に、即座に対応できる団体が東京JCの理想の姿であると考えています。青年経済人の団体であり、単年度制であるこの組織に最も求められているのはその時、その場所に必要な新しい事業や運動、政策提言です。縦割り行政の省庁に対応した組織体系では今から起こりうる多種多様で複雑に進化した問題には対応できません。今後必要なのは起こった問題に対しすばやく組織編成でき、対応力に優れ、経済と環境、国際と福祉、政治と教育など複雑に絡み合った問題を、生活している人の目線で解決する行動力こそが求められているのです。
私たちの事業や運動、政策に必要なのは、日本の問題点は日本人にとって、東京の問題点は東京に住む人にとって、各地区の問題点はその場所で生活する人にとって最良の解決策となる方法を考えること、実際に解決に向け行動することです。東京JCは起こっている問題に対し国から地域に政策を出すような縦割りの構造になってはいけないと考えています。多様な問題を抱える現在の日本に必要とされる東京JCのかたちは、専門家の集団ではなく、的確に問題点を収集、把握でき、必要な時に必要なだけの専門家の意見を集約して問題に取り組むことができるスピード感のある団体でなければいけません。東京JCは経営者の集団であり続けることが重要であり、専門家を育て問題を待っている団体ではなく、問題を解決するのに最良な選択ができる人材を輩出する組織に変化しなければなりません。
以前にどんなに優れた政策や法律、規則、事業でも、その時代に求められていなければ負担になってしまいます。歴史とは学ばなければいけないものであり、従うものではありません。私たちも60年の歴史から学び、先輩方の経験を活かし、常に進化し時代から求められる姿であり続けることが必要なのです。変革の能動者たる私たちはあらゆる問題に対して、自ら様々に変化して、信じることを積極的に行い、その行動が成功したらさらにそれに力を注ぎ、失敗したらすぐにやめること、それらにスピード感持って取り組むことこそが東京JCに引き継がれた最も重要な東京JCのかたちであると私は考えます。
誇りある日本の未来へ
今、日本は世界における経済大国としての地位や、東アジアにおける存在感の低下が指摘され、日本の行く先には様々な困難が待ち構えているといえるでしょう。周辺諸国との関係も膠着化し、決して良い方向に進んでいるとはいえず、この国を守る外交も国民の信頼を勝ち得るには至っていません。また、国内に目を向ければ、少子高齢化への対応の遅れや、自殺者数や重大犯罪の増加などおよそ誇るべき国とはいえない現状です。この国を導くはずの政治は混乱し、選挙における低い投票率を考えてもその政治を選ぶ国民がその責任から逃げているように思えます。国の政治はその国の国民の鏡であり、社会が悪い、政治が悪いと揶揄する解説者や国民が堂々とメディアに登場する現状に、この国の未来の責任を持つ私たちは決して同調しあきらめてはいけないのです。この国を創るのは紛れもなく私たちであるという主権者としての尊厳を持ち、その主権を勇気と責任感を持って行使する国民と、その仕組みを創り上げなければならないのです。
東京JCはこれまで、全国に波及することとなった地域における公開討論会や市民討議会、また様々な分野における市民参加型の社会問題解決のための事業を行ってきました。その根底にあるものは、この国を創るのは私たち自身であるという自負であり、欧米から導入されたこの国の民主主義を昇華させ、強い国民による強い国家を創るために、私たちは全力であたらなければいけないと考えています。おりしも2009年には国民の司法参加を義務付ける裁判員制度のが開始され、2010年には国民投票法の施行が行われる状況であり、私たちは主権者としての意識の醸成と、その主権を行使するシステムの構築や検証に先頭に立って取り組んでいくべきであります。
責任ある国民がその尊厳を持って創り上げる「誇りある日本」を、私たちの運動から創っていきましょう。
夢ある東京の未来へ
私たちが暮らし、生活を営む東京は、世界的に見ても類稀なる魅力を持っている都市であると私は思います。国内外の様々なまちを訪問する時、そのまちの魅力とは、何よりもそこに住む人たちの人柄であり、その土地の歴史や環境、プライドに惹かれて集まった人たちの思いの表れであるのではないでしょうか。東京は世界の大都市、ニューヨーク、ロンドン、パリなどと比較しても、人口、面積共に世界一といえる都市であり、まさに世界に冠たる大都市であります。また東京は、日本の首都、経済の中心として、多くの投資を国や企業から受けることができます。引き続き行われるであろうオリンピック招致活動や観光資源の豊富さによる観光客の受け入れなど、このまちの問題を解決するために利用できるイベントにもこと欠きません。
しかしながら、大都市ならではの問題も内包しているのは事実です。群を抜いた高い昼間人口密度や都市の発展に伴って起きてきた、防災の問題、高齢化対策、環境問題、犯罪の増加、子どもたちの教育の問題など大都市特有の問題が山積しています。それらは大都市でなかった東京が大都市になった故のコミュニティの希薄化に起因することが大きいのではないでしょうか。大都市でなかった頃の東京に住む人は相手を敬う気持ち、隣人を助けたいという気持ち、まち全体で子どもたちを育てていくという環境などを自然と創り上げていたのではないでしょうか。今こそ、この昔あった東京の姿を取り戻さなければいけないのです。大都市東京にある問題は大都市でなかった頃の東京の精神を取り戻すことで解決に向かうと私は信じています。
私は、東京に住み子どもを育て仕事をする人間として、子どもに自慢できる東京であって欲しいと思います。それは、この東京への愛情でありプライドでもあります。東京に住むすべての人がこのまちを愛し、世界中の人が憧れて住みたくなるまち「夢ある東京」を私たちの手で創り上げましょう。
理想地域の創造
若い私たちは常に研ぎ澄まされた感覚で地域における問題を見つけ出し、実体験から問題解決の方法を考え出し、行動に結び付けなければいけません。
これまで私たちは35年に亘り、23区に分かれ地域に根ざした運動を展開してきました。そんな我々だからこそ、地域の抱える本当の問題を抽出できるのだと考えています。地域の問題は、東京都という広い目線から見えるものではありません。私は、地区委員会の役割のひとつとして、23人の委員長が常に地域の問題点を探し当て、新しい発想で解決方法を探り、より良い地区を構築することに責任を持って取り組むことが必要だと考えています。
またもうひとつの地区委員会の大きな役割は人材育成と人材交流の土台としての役割です。常に新しい知識(アイディア)を得るために、新入会員の獲得のみならず、地区以外の特別委員会や日本JCなど、地区委員会以外で活躍したメンバーが地区委員会に戻り、その新たな知識を委員会に還元することも非常に重要です。メンバーは地区で得た経験を東京や日本という場所で活かし、また、反対に地区以外で学んだ知識を地区で活かしてこそ、東京JC全体が活性化するのです。
強い意志を持った地区委員長がリーダーシップを発揮して、事業を開催して地区メンバーをまとめ育てること。また、東京や日本で活躍する地区出身メンバーを支援することの重要性を理解しメンバーに協力を求めること。このふたつの柱を実行することにより、地区以外で学んだ経験のあるメンバーの知識を利用した新しい発想の事業を構築できるようになると共に他地区の優れた事業を参考にすることもでき、自分の地区にあった政策を考えすぐに実行できる地区委員会となるのです。この地区委員会の集合と集約こそ、他のNPO等の団体や地区委員会システムを持たない他のLOMにもない、東京JCの強さなのです。
東京JCブランディング
現在、日本にはNPO団体など、多くのボランティア団体が存在します。『JCしかなかった時代ではなくJCもある時代』です。しかしながらJCほどの歴史と実績を持った団体は他にありません。戦後の焼け野原、何もなかった時代に、今後の日本の再建を夢見て始まった運動は東京JCから派生し、そのJC運動は日本全国に拡がっていきました。それから60年もの年月を重ねる間に、様々な分野で運動が展開されてきました。これらの事業があったからこそ、今日NPO団体として運動が継続し展開されているものも少なくありません、またJCを卒業後、先輩方が社会貢献の意識を忘れることなく展開されているボランティア団体も多数存在しています。東京JCから、政界へ舞台を替えて活躍されている先輩方もいらっしゃいます。これほど社会に影響を与え、社会から信頼を得ている東京JCに、ブランド力がないはずはありません。足りないのはブランド力を発信する力、つまりブランディング能力なのです。ブランディング能力の向上のために、メンバーが共通して東京JCの目的や歴史、功績を理解し多くの人に伝えていくこと、また同時に今の我々にしかできないダイナミックで社会から必要とされる運動をメンバー全員で展開し社会に発信し続けることが必要なのです。
政策提言の発信力、運動の展開力、例会での動員力、新入会員の拡大、また、もしかすると会社や家族からのJC運動への積極的な理解に至るまで、東京JCのブランド力は私たちメンバーに無限の力を与えてくれると考えます。東京JCが、これまでの歴史と持てるポテンシャルを最大限に発揮すれば、必ず社会貢献活動のリーダーとして、日本をけん引していく唯一の団体になれるはずなのです。
会員拡大の重要性
JCの存在意義とは、今その場所で必要とされる問題を見つけ、即座に解決に向けて運動を展開できる行動力だと考えています。問題点を見つけ騒ぎ立てるだけでもなく、政策提言だけを行うのでもなく、人から指示されて実行するだけでもない、問題抽出から運動展開までを自らが積極的に行うことができる力こそが東京JCです。これらは、決して限られた少数の人だけでできるものではなく、また同じ考えを持った人たちだけでできるものでもありません。様々な価値観をぶつけ合い、切磋琢磨することで、真の問題解決の糸口が見えてくるのです。そのためには、多くの人々が集う場が必要であり、多くの新陳代謝も行われる必要があります。多極化した世界、複雑化した問題には、メンバーの多様性を持ってあたるより他にないのです。
メンバーが1,000人いる東京JCを想像してみてください。1,000人のメンバーが運動を展開する時には協調してくれる多くの他者をさらに巻き込めるようになると思いませんか? 1,000人の発想が創り上げる事業はより深みがあり、発信力に優れ、もっと大きな影響を社会に与えられると思いませんか? 1,000人のメンバーが議論し切磋琢磨すれば、今よりもっと自らが修練されると思いませんか? 1,000人の多種多様の人との出会いがあなたに新たな友情をもたらしてくれると思いませんか?
1,000人という会員数は夢のような数字でしょうか。この魅力ある東京JCを一人でも多くの人に伝えるシステムを構築して、3人の委員会だった地区委員会での私の経験をすべてのメンバーに伝えることができれば、決して不可能な数字ではありません。私たちに必要なことは達成しようと決意をしてメンバーでその目的を共有することだけなのです。新しい入会システムと今までの経験を活かして、東京JCメンバー全員がひとつの目標に向かって取り組めば、必ず達成できるはずです。
「48人の創始のメンバーが49人目のメンバーを迎える気持ちを今いるメンバーすべてに感じて欲しい」
48人の創始のメンバーが49人目のメンバーを迎える時、先輩方はどう感じたでしょう。先輩方は自分たちの運動を理解して入会してくれた新しいメンバーを心から喜び、歓迎し、東京JCの今後の可能性を感じたのではないでしょうか。
一人の新しい友を東京JCが持つことは、東京JCの魅力や可能性がひとつ増えることだと考えます。この喜びを感じながら私とあなたで、東京JCをもう一度1,000人LOMにしてみましょう。今いる私たちの成長と将来入会する後輩たちの無限の可能性ために。
社会的に影響力のある例会へ
例会は月に一度だけ、メンバー全員が集う重要な機会です。そして例会には様々な意味があります。メンバー間の交流、メンバーの勉強、政策提言、そして運動の発信の場であると私は考えます。一回の例会に、これらすべての要素を盛り込むことで、目的が分散し、持ち帰るものの意味を不明確にしているのではないでしょうか。例会は目的を明確にし、予算配分のメリハリをつけることで、この重要な機会で最大限の効果を上げる場所にすべきだと考えています。
メンバーのための例会は、その目的通り小規模なものへ、政策提言を行う例会はターゲットを絞った規模のものへ、そしてブランド力とネットワークを効果的にPRするべき例会は、より大規模なものへとシフトするべきなのです。地区の運動は、目的が明確であるため地域のマスメディアに取り上げられることが多くあります。誰が見ても目的が明確な例会、それは新入会員のみならず、訪れた一般参加者にも理解されやすいものです。例会も目的を明確にすることで、東京に、そして日本に発信するべき話題になるものにしなければ、社会からのJC運動への理解、賛同を得ることは難しいと思います。
理解されやすい例会を作成して、効果的なメディア戦略を行うことで、これまで以上の動員力、発信力を得ることができるはずです。例会の話題が翌日、家庭で、会社で話題になる。そんな例会を目指していくべきなのです。
メンバー研修 〜説得力あるJAYCEEが創る発想力溢れる東京JCへ〜
私は健康で若々しい体とは、適度な運動を継続して行い、定期的に検診を受けることが必要だと考えています。常に成長し続けどんな問題にも対処できる力強い団体にも同じことがいえるのではないでしょうか。
開催する事業の影響力や動員力の低下、また会員の減少。これらの原因は何でしょうか。東京という場所、不景気等の時代背景、無関心層の増大、今まである古い関係を断ち切れないこと、挙げていけばいくらでもあるでしょう。しかし、残念ですが私たち人間は時、場所、場合は選ぶことができません。私たちは与えられた環境の中自らが考え自己反省し続け、それらに対応するために、今持っている知識だけでなく、貪欲に新しい知識を学び増やしていかなければ、社会に対して説得力を持ち続けることはできません。説得力とは相手を論破するのではなく、相手の意見をよく聴き、認めて、自分との意見を調整して、相手に納得してもらい協調してもらう力です。説得力を持ったJAYCEEが創り出す事業や運動は社会から認められ、自然と広まっていくはずなのです。
多方面から学んだ知識に、私たち青年が持つ新しい発想で少しの工夫を施して問題に対処していくこと、そのために常に学び続けること、新入会員が発する声を素直に聞き新しい考えを得ること、行政の特性を正確に把握することが必要なのです。これらを丁寧に成し遂げることで現在ある問題の原因を正確に見極められるようになり、事業や運動に対しての力強い発想力を養えるようになると私は考えています。
社会から必要とされる人材の育成の場になるために、発信した政策が社会に影響を持つ団体になるために、また、まだ見ぬ東京JCの未来を担う人材に対して、私たちは常に反省し、準備し、成長し続けなければいけないのです。今まさに、メンバー一人ひとりが共に学び、共に成長して強い個人の集合である東京JCになることが社会から求められているのです。
政策団体として 〜未来の東京JC事業のために〜
現在の東京JCは多種多様の問題にすべて同時に取り組むのではなく、優先順位をつけて選択し集中して、解決したら次の課題に取り組むことが必要です。しかし選択と集中を行う時には将来取り組む問題のための準備も同時にしなければいけません。
未来の準備のために国や東京、地域の新しい問題を解決することを望む声を収集することができるのは、現在活躍するメンバーとその地域の特性をまとめ上げることのできる東京JCの技術だけです。特に地区の事業は23区のデータを収集して比較し、各地区や地域の声を主観だけで判断するのではなく、客観性を持ちながら、東京を全体から見るというマクロな視点と23区というミクロな視点を同時に持つ準備をしていくことが重要なのです。
また、今まで先輩方が取り組んできた事業を現在の私たちが勉強し活用できるようにしなければいけません。東京JCが行ったすべての事業を振り返り、今必要なものに活用できるような環境を整えることができれば、事業や運動、政策提言の効率化だけでなく、発展性、独創性、講師の幅など多くのことに役に立つと考えています。
私は東京JCの大切にすべき財産は、メンバーと今まで先輩方が創り上げた信頼と歴史だと考えています。このふたつのことを丁寧に積み上げていくことが、将来起きる問題を解決する事業の構築、政策提言に繋がっていくと私は考えています。
最後に
地域や、まだ見ぬ私たちの未来の同志は、23の強い意志を必要としています。 東京は本当に必要な施策や事業に、青年経済人である私たちの経験と頭脳を必要としています。 日本は、東京JCが起こす運動を日本全体に拡げることを必要としています。
理想の日本を創るには、東京が理想の都市でなければいけません。理想の東京を創るには、23区すべてが理想の地域でなければいけません。理想の地区を創るには、メンバー一人ひとりが理想を掲げ力強く成長し続けなければなりません。メンバーすべてが個人の力を高めていくことこそ、地域を、東京を、日本を「明るい豊かな社会」に導く東京JCの存在意義に繋がるのです。
私は、あなたにも一緒に、これまで先輩方に重ねて頂いた60年の歴史を真摯に学び、61年目の新しい東京JCを創る喜びを感じながら、一人のJAYCEEとして活動し、修練を積み、友情を育み、市民から必要とされる人材として働き、まだ見ぬ後輩たちから尊敬されるメンバーとして東京JCに参画して欲しい。これは、一度だけしかない人生の掛け替えのない時間を共有する一人の仲間として、私から皆さんへの、たったひとつのお願いです。
「自分以外の人と議論を重ね、感情を共有し、仲間と一緒に強い意志を持ち続け、同じ目的に立ち向かうこと。」 これこそ、人類が歩んできて創り上げたこの世界の発展を支えた、すべてなのですから。
第61代理事長 安藤 公一