理事長対談

理事長対談   石原  伸晃 行政改革・規制改革担当大臣
 西野  晃透 (社)東京青年会議所 理事長
  12月24日午前10時より永田町 石原伸晃大臣執務室にて

石原  最初から4つの大きな宿題を解決しろといわれまして、海図は書いた、航路は決めた、その航路を本当に船で走っていかねばならないというのが今年だと思います。 右:石原 伸晃氏 左:西野 晃透
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西野 2002年度は「今、動き出す志民社会」をスローガンとして、今何が足りないかというと国民一人一人の志だということで、志に拘って21世紀の国、社会を考えていこうと思っています。シチズンの市民の前にいるのは単なる住民、地域に参画している人が市民、志民は社会貢献的な思いを持って参画していく一歩踏み込んだ部分としてとらえて、21世紀に志民社会に拘っていく事が結果的に大きな改革をする近道のように思います。
石原  JCはもともとは街に飛び込んで街を変える、社会に奉仕する要するにボランティア団体ですからそうしたものがあったのですが、50年という長い歴史の中でいろいろ紆余曲折があったと。志というのは「初心忘れるべからず」という言葉がありますように、一度こちらに向かっていこうと決めたその心意気はどんなに紆余曲折があろうと変えてはいけないものがあると。私も政治家の原点、初心を忘れてはいけないということ、政治は国家国民に奉仕するもの、新しい21世紀の国づくりをしていくんだという思いを忘れてしまったら、いまの志の話ではありませんが、信念が揺らいでしまうという事になります。ちょうど同じ様な立場にいるんじゃないかと思います。
西野 いま大臣がおっしゃった「変えてはならない部分がある」という点ですが、規制改革、行政改革など改革という名前がつくと変える専門家のような捉えられ方があると思うのですが、規制改革などは変えなきゃいけないものと変えてはいけないものを明確に課題付けていかないと規制改革にならないわけですね。規制緩和担当大臣ではなくて規制改革担当大臣ということは変えてはいけない変革であったり、逆に規制をかけていかねばならないものもたくさんあると思うんですが、そうした部分はいかがでしょう。
石原 結局自由競争をずっと行なっていくと弱肉強食になってしまう。だから一定のルールの下に自由な競争をしなければいけない。ですから規制が掛かってくるわけですね。ルール=規制だと考えていただければ言いわけですね。経済活動でもルールがなくなったら大変な事になるわけですし、決算でも粉飾決算があったり簿外債務があったりしたらこれはまったくルール違反であると。それと同じで守るべきものは規制改革を行なっていく上でも守っていかねばならない。ですから今理事長が言われたように数年前までは規制緩和だったんですね。規制改革として強めるところと緩和していく部分と両方ある事に変更してきた歴史があります。
西野 晃透 東京青年会議所 理事長
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石原 伸晃 行政改革・規制改革担当大臣
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西野  過去は規制緩和であっても、現在は緩和もあれば規制強化もあるという最終局面になったということですね。
石原 私も党の方では金融と財政の規制改革の主査をやっていましたが、1500項目ぐらいを5年間で出して、その結果どうなったかというと大蔵省の銀行局も証券局もなくなって金融庁の一部局になってしまいました。規制の話をさせていただくと、政令とか省令になっていない金融の分野がありました。例えば保険会社がある商品を作りたいと、それは大蔵省に届け出ればいいのですが、届け出る前に相談に行くわけですね。そうすると当局がああしたほうがいい、こうしたほうがいいということが実質的な規制になっていました。そんなものが日本社会全体に蜘蛛の巣のように蔓延っている。それを一つ一つ減らしてきたのが規制改革の歴史ですし特殊法人改革でもまさかこんなにすごいとは私も蓋を開けてみるまでわかりませんでした。皆さん方の年金とか簡易保険とか郵便貯金からお金を借りて事業をしているわけですね。特殊法人はいってみれば出口の部分ですね。それだけでやっているのかと思ったら一昨年までは5兆数千億円も税金を補助金の形で貰っていたんです。そこで小泉総理の強いリーダーシップで、私も各省庁と調整してあなたのところは特殊法人として時代が違うのだから仕事はやめてください。あるいは事業を一緒にしてスリム化してください、と言う事によって一年間で平成14年度予算で1兆1千億円の税金が補助金としてはいかなくしたんですね。言えばできるということは1兆1千億円が無駄だったということですから、この浮いたお金を総理がおっしゃっている待機児童ゼロ作戦の保育の分野や介護の方に回っていったら国民の税金がより効率的に配分されるようになったということで大きな成果があったと思っています。
やはり一つ一つ積み上げていくことが大切で、JCも毎年活動方針を決めてスローガンを決めて目標に向かっていくということですね。これはまた50年の歴史があるからいろんなものが決断できるわけですね。政治も同じで小泉総理になったからといって全部過去のものを葬り去って変えるのではなくて、過去の良かったものは取り入れる、規制も良かったものは強化していく、悪いものは緩和していくという形でものが進んでいきます。いよいよ今年はJCも勝負の年ですし、私にとっても21世紀の新しい日本を小泉総理の掲げる、民に任せるものは民に、地方に委ねるものは地方にというスローガン、哲学にのっとった改革を法律という形で担保していく勝負の年だと思います。
西野  今年の所信の中に「連携型社会システムの構築」を大上段に掲げたのですが、その中には民間でできるものは民間でやるという発想がまさにあります。PFI的な民間の資本を社会資本に向けていかなければいけないという考えで、我々も地域で取り組んでいく必要があろうかと思います。PFIという言葉はまだ国民的には浸透していないと思いますが、先行していろんな事例がありますね。中には第3セクターと何が違うのかという捉え方もあるようですが、民間が地域を支えるその背景には行政の税収不足という状況があって十分な社会サービスが出来ないといったこともあるでしょう。地場産業など民間経済の活性化をはかって民間の力を社会資本へ向けられるようにするというのがPFI的発想だと思います。大臣はPFI的発想についてどうお考えですか。
石原大臣と西野理事長
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石原  これからの社会資本の整備は民間の英知と財力で国、自治体が補えない部分を民間が協力していくというのが発想の元だと思います。政府としても文部科学省の建物を第1号のPFIで建て替える事になっています。旧総理府のビルもPFIで建て替えたいと思っています。いい例では中部国際空港はPFIですね。民間でも地域でもやっと動きが出てきました。今回オーストラリア政府の招きで渡豪するため1月例会に出席できないのですが、オーストラリアはまさにPFIの先進国で高速道路やアデレードの鉄道をPFIで作ったり、ブリスベン空港などエアポートは全て民営化されています。驚いたのは北京空港も民営化されていますね。PFI的手法、民営化手法がいたるところで取り入れられています。成功例、失敗例いろいろあると思いますので、昨年ヨーロッパを見てきましたし、今年は豪州を見て改革に役立てたいと思っています。東京JCの皆さんも東京の目玉としてPFIを活用して再開発で社会資本整備しようという提言を今年出していただければ私が都知事につなぎますよ。
西野  NPOというセクターが恐らく21世紀の中核をなしていくセクターに変わってくるかと思うのですが、東京JCでもNPOを中心的テーマとして掲げています。東京JCは今年53年目になりますが、53年前は焼け野原の時代で、その頃初代理事長の三輪善兵衛先輩が社会に向けて何かをしたいと呼びかけて若い人たちが立ち上がってきたわけです。それから数十年経って阪神大震災などでNPOが脚光を浴び、今まさに世界のために何かをしたいという団体が多くなってきています。そうした多くのセクターと連携して物事を解決していこうというのが連携型社会システムの構築ということなのですが、大臣はこれからの中核をなすNPOにどのような期待をされますか。 石原 伸晃 行政改革・規制改革担当大臣
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石原  これからNPOは社会の主体、ボランティア組織の主体になっていくと思います。私は専門が金融・税制・財政ですが、税制面ではまだまだNPOは優遇されていないんですね。社団法人とか公益法人は優遇されています。やはりNPOも税制的に優遇できるようにしていかねばなりませんね。JCを世間から見るとどちらかというと経営側の感覚ですね。そのJCが社会志民ということも画期的ですし、JCメンバーがNPO活動を主体的にやっていけばNPOへのある種の偏見も払拭できて税制面でもみんな揃ってNPOを育てていこうとなると思います。私はNPO法が出来たときから理解者だと自分では自負しているのですが、正直申しましてまだまだマジョリテイーにはなっていません。そういう面でも社会志民を掲げられた運動の中で、東京JCもNPO活動を21世紀の運動の中心にしていくんだということを打ち上げて頂くことは大きな意識改革になりますね。改革というものはJCメンバーのような若い世代でなくては出来ません。NPOを使う、PFIを使うなど新たな手法で変えていこうとする場合にはやはり若い力しか改革できないんじゃないかと思います。
西野   NPOに関してはずっとJCメンバーだけで問題提起から分析までやっていたのですが、運動のスタート段階からNPOの皆さんと一緒に作り上げていくスタイルを考えています。東京JCは750名余りですが大都市東京で東京JCといっても大きなうねりにはなっていかないという状況がありますので、理念を伝えてNPOが出来ないことでもJCだったら行政に働きかけたりいろんな大臣ともお話ができる機会を得ながら形にしていく術が我々にはありますので、そうした点も750名から1万人、2万人、10万人のうねりにしていく運動が求められていると思います。そんな部分も1年間NPOに関する政策の中で考えていきたいと思います。 石原大臣 お忙しいところありがとうございました
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西野  いわゆるNPO法ができて、もしかしたらいいNPOと悪いNPOがいるためにいいNPOが結果的に税制優遇を受けられない側面も出てくるかもしれない。公益認定を如何にしていくかが大事なんですね。そうした点も勘案しながら制度作りにも一石投じていければと思っております。
石原    JCの皆さんが若い力で世の中を変えていこうというのと同じ様に、私たちは自民党という保守政党ですけれども新しい人が出てこなければいけない。新しい人が皆民主党に言ってしまうというのはおかしな話なので、もう一度政界再編がなければいけませんし、選挙制度も多様な民意に応えられるような制度に変えるべきだと思っています。

石原伸晃行政改革・規制改革担当大臣メッセージ
東京JCの皆さん、明けましておめでとうございます。石原伸晃です。きょうは西野理事長と有意義な対談を持つことが出来ました。新しいキャッチフレーズ「今、動き出す志民社会」、まさに社会が動き出そうとしています。そして動き出そうとしている社会を変えていくことができるのは柔かい頭脳と柔軟性を持ったJCの皆さん方だと思っております。是非皆さん方の柔軟性と社会に根ざした地域からこの国を変えていこうという熱意を持って今年一年スローガンに則って勉強していただき、また社会に貢献して頂いて、私と一緒にまた小泉総理と一緒に地域から日本を変えていくようお力をお貸し頂きたいと思います。
西野理事長始め皆さん方の今年一年のご成功を祈念してご挨拶と致します。よろしくお願いします。

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